2011 Fiscal Year Annual Research Report
病原細菌エフェクタータンパク質による宿主細胞死誘導の分子機構
Project/Area Number |
09J10053
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 志穂 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 国際研究者交流 / アメリカ / 病原細菌エフェクター / マクロファージ細胞死 |
Research Abstract |
Pyroptosisは病原細菌の感染に対して宿主細胞が起こす細胞死であり、病原体の感染成立に影響する重要なファクターである。しかし、本細胞死はアポトーシスなど既知のものとは異なる新しいタイプの細胞死であることから、細胞が死に至るメカニズムの詳細については未だわかっていない部分が多い。そしてその分子レベルでのメカニズムを解明することは、細菌感染症を抑制する新規薬剤の開発が期待できることから研究の意義が大きく、機構の全容解明が待望されている。本研究は、病原細菌エフェクターによる細胞死誘導の分子機構の解明、および病原細菌の感染力・病原性発現に与える影響を解明することを目的とする。 申請者はこれまでの研究において、マクロファージにpyroptosisを誘導する赤痢菌TypeIIIエフェクターを特定し、更に本エフェクタータンパク質と相互作用する宿主タンパク質を特定した。本年度は次に示す実験項目を実施して、その研究成果を得た。 1.NLRP3,NLRC4,ASC,Caspase-1のノックアウトマウス由来の骨髄マクロファージを分化誘導し、赤痢菌野生株、エフェクター欠失変異株及び過剰発現株を感染させ、菌体の定着効率、細胞毒性、炎症反応の強さ、サイトカイン産生量等を評価した。同時に、各種NLRsをsiRNA/shRNAノックダウンしたマクロファージを用いて感染実験を行った。以上よりpyropsosisがどのNLR pathwayに依存するものかを検証した。本感染実験は、共同研究先である米国ミシガン大学医学部のGabriel NUNEZラボにて行った。 2.特定したターゲットタンパク質のノックアウトマウスを作成し、赤痢菌感染に対する応答を検証した。同時に、ターゲットタンパク質のsiRNA/shRNAノックダウン実験及び過剰発現実験を行った。
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