2010 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア地域における不動明王を含む集合明王像の形成と展開
Project/Area Number |
09J10055
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Research Institution | Shuchiin University |
Principal Investigator |
見田 隆鑑 種智院大学, 人文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 五大明王 / 不動明王 / 松島五大堂 / 集合明王 / 五菩薩五念怒像 / 密教図像 / 空海 / 円珍 |
Research Abstract |
平成22年度は、実地調査では、五大明王像及びそれを構成する明王像を中心に資料収集と整理を行った。平成22年度の調査対象は、SPD研究会において前年度調査を行ってきた平安・鎌倉期の作品だけでなく、それ以降の時代の作品も網羅的に収集していくべき旨の指摘を受けたこともあり、前年度調査に及べなかった作品に加え、時代が下ることで調査対象から外した作品、新たに所在の情報を得た作品(所蔵者の意向で調査不可となったものもある)の中からこれまで実見していない作品を中心に実地調査を行った。この他、美術館・博物館での展示の機会を利用し、情報収集した作品もある。また、五大明王像の資料収集と関係するものではないが、前年度調査を行った松島五大堂の五大明王像に関する口頭発表および論文執筆にあたり、周辺作例との比較検討を行い、特に黒石寺所蔵・四天王立像のうちの多聞天像に、松島五大堂像と同系統の面貌表現を確認することができた。 平成22年度は、前年度の研究成果をもとに口頭発表1件、学術論文の投稿2件を報告できた。口頭発表は、第30回密教図像学会学術大会(平成22年12月11日、於:四国大学交流プラザ)にて、前年度の調査をもとに「松島五大堂の五大明王像について」と題する発表を行い、この発表内容に基づく論文「松島五大堂の五大明王像に関する一考察」を同学会誌『密教図像』第30号に投稿した。また別に、「円珍請来「五菩薩五念怒像」に関する一考察-特に「五念怒像」の表現について-」という題目の論文を『美学美術史研究論集』第25号(名古屋大学大学院文学研究科美学美術史研究室)に投稿した。研究論文2件に関しては、次年度上稿予定である。
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Research Products
(1 results)