2009 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害児・者の運動行為遂行の特徴とその心理学的解析
Project/Area Number |
09J10151
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
平田 正吾 Tokyo Gakugei University, 連合学校教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 知的障害 / 運動遂行 |
Research Abstract |
本研究の目的は、知的障害児・者の運動行為遂行の特徴について、性格特性と生理的基盤の2側面から明らかにすることである。本年度においては、まず知的障害児・者の運動行為遂行に影響を及ぼす基礎的要因の探索のため、前年度に収集した知的障害児・者の手指運動と歩行における速さと正確性のデータを用い(手指運動に関してはシール貼り課題、歩行に関してはおぼん運び課題を実施した)、彼らの運動遂行に暦年齢、知能指数、ダウン症の有無、自閉症の有無の4つの基礎的要因が及ぼす影響について検討した。その結果、知的障害児・者の運動遂行に対して、対象者の暦年齢が及ぼす影響は明確でなく、対象者の知能指数は運動の正確性に影響を及ぼしていた。また、ダウン症者の運動遂行は運動種によらず、知的障害児・者の中でも遅くなっていた。こうした一連の研究結果は、本年度においては論文として3つの査読誌に投稿し、内2つが採択された(1本は現在、査読中)。 また、本年度においては、知的障害児・者の性格特性の一つとして、認知的衝動性-熟慮性の認知スタイルに注目し、同画探索課題(MFFT)を用いて測定を行った。また、知的障害児・者の運動遂行の生理的基盤を評価する指標として、対象者の始歩期についての調査を行った。更に、特別支援学校職員及び更生施設職員を対象として、対象者の生活態度についてのアンケート調査を行うことにより、客観的観点から知的障害児・者の性格特性の評価を試みた。知的障害児・者への測定に加え、本年度においては幼稚園の園児から中学校の生徒までを対象として運動機能の測定を行い、知的障害児・者の運動機能を評価する際のノルム作成を試みた。こうした測定の結果、知的障害児・者140名と健常児104名からデータを得ることが出来た。現在、結果について解析中である。ここでの解析結果を踏まえ、来年度の研究を遂行していく。
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Research Products
(7 results)