2010 Fiscal Year Annual Research Report
他者との相互作用による潜在的・顕在的な自己の行動変容過程の解明
Project/Area Number |
09J10174
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 華子 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 運動学習 / 運動制御 / 運動観察 / 印象評定 |
Research Abstract |
私は他者の運動が自身の運動に及ぼす影響を調査するために、他者の運動の観察による運動印象評定についての研究と運動学習過程の特性を検討する研究とを行った。平成22年度の本研究員の成果は以下の通りである。(1)受け渡し動作における丁寧さの評定:本研究では人が物体を他者に渡す際の渡し方について、丁寧さの印象を量的に分析することを試みた。被験者は渡し手が丁寧に物体を差し出す場合と普通に差し出す場合のビデオ映像を観察し、各動作について印象評定項目に回答を行った。その結果、渡し手が丁寧に意識した動作を受け取り手は丁寧だと評価できていた。また丁寧な動作に対して受け取り手がいる状態で撮影された映像では、丁寧さの評価得点は動作の美しさといった好みに関わるような項目とより相関していたのに対して、受け取り手がいない場合は受け取りやすさといった機能的側面とより相関していた。この結果は今年度開催の電子情報通信学会のヒューマン情報処理研究会で発表され、同研究会の研究技報でも投稿掲載される予定である。(2)ゲームエキスパートにおける手続き運動学習の特徴:本研究では格闘ゲームを習慣的にプレイしているゲームプレイヤーの運動手続きの獲得過程の特徴を調査した。その結果、ゲームプレイヤー群では非ゲームプレイヤー群に比べて学習を通して手続きの遂行速度が速かったことに加え、非ゲームプレイヤー群では学習初期の急激な速度向上がみられ、ゲームプレイヤー群では学習後期になっても緩やかに速度の向上が続くという傾向が示された。エラーの量については両群で差はみられなかった。本研究の結果から、格闘ゲームの熟達は手続き運動学習の特に遂行速度の向上に働き、また速度の向上過程についてもゲームの経験のない場合とは異なる影響を与えることを示唆するものである。この成果は基礎心理学会で発表された。また今年度開催の日本心理学会で艶表する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Neuro-anatomy of action video-game experts : A structural MRI study.2010
Author(s)
Tanaka, S., Kato, R., Hanakawa, T., Ikeda, H., Kasahara, K., Hosoda, C., Mori, M., Honda, M., Watanabe, K.
Organizer
Annual meeting of the Society for Neuroscience
Place of Presentation
San Diego
Year and Date
20101113-20101117
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