2011 Fiscal Year Annual Research Report
ラジカル制御による低誘電率層間絶縁膜のダメージフリープロセスに関する研究
Project/Area Number |
09J10187
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 洋 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ポーラスSiOCH膜 / Low-k材料 / H_2/N_2プラズマ / in-situ計測 / 分光エリプソメトリー |
Research Abstract |
ラジカル制御による低誘電率層間絶縁膜のダメージフリープロセスを実現するための研究計画に基づき、平成23年度は、低誘電率層間絶縁膜へのプラズマアッシングダメージ発生のメカニズム解明を行った。半導体製造プロセス中にLow-k膜がダメージを受ける状況を再現するため、Siプレート、MgF_2ウィンドウを、チャンバー内で水平移動可能なプローブに吊るし、サンプル上に密着あるいは隙間を空けて配置することでプラズマアッシング時にプラズマ中のイオン、ラジカル、光がポーラスSiOCH膜に与える影響を分離して評価をおこなった。実験では100MHz/2MHz二周波容量結合型プラズマ装置を用い、ポーラスSiOCH膜へH_2/N_2プラズマを曝露させその変化を観測するため、in-situで計測可能な反射型FT-IR、分光エリプソメトリーなどの表面分析を行った。これらの表面計測の結果より、H_2/N_2プラズマおよびその後の大気曝露によりポーラスSiOCH膜中および表面で起こる反応を解明した。特に、ポーラスSiOCH膜中のSi-O-Si構造、Si-CH_3基などの化学構造の変化に着目した。また、これらin situでのFT-IR高感度反射吸収分光法と分光エリプソメトリーによる表面計測およびポーラスSiOCH膜とプラズマの化学反応に直接関わるラジカルの密度を計測した。これらの実験結果から、大気中の水分により形成されたSi-OH基同士の脱水縮合反応により新たなSi-O-Si構造が形成されるメカニズムを提唱し、ポーラスSiOCH膜の低ダメージプラズマプロセスとして、Nラジカルによる表面窒化処理および大気曝露フリープロセスを提案した。
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