2009 Fiscal Year Annual Research Report
深海底におけるメタンハイドレート堆積層の生産時安定性および生産効率の評価
Project/Area Number |
09J10261
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
米田 純 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | メタンハイドレート / 深海底 / 有限要素法 / 変形 |
Research Abstract |
本研究はメタンハイドレート開発の安全性と生産性の向上のために,メタンハイドレート貯留層の力学特性を明らかにし,それを考慮した生産シミュレータを開発することにある.これまで,メタンハイドレートを含む堆積土の力学試験としては三軸条件下の圧縮試験に限られてきたが,本研究では低温高圧平面ひずみ試験装置を用いて平面ひずみ条件のもとメタンハイドレートを含む堆積土の圧縮試験を実施した.実験では観察窓からデジタルカメラによる自動撮影を実施し,得られた画像を用いてPIV(粒子画像流速測定法)解析を行うことで供試体の変形量を取得することに成功した.これにより高圧平面ひずみ条件下のメタンハイドレートを含む堆積土の力学強度を評価すると同時に,その変形挙動の把握が可能となった.メタンハイドレートを含む堆積土を深海底環境のもと再現し,その変形挙動を視覚的に捉えたのは世界で初めての快挙といえる.同時にメタンハイドレート生産過程における地盤の変形およびメタンガス生産をシミュレートする解析ソフトの開発を行った.解析ソフトは,当研究員が開発した構成則を導入した土-水-ガス-熱を連成させた非線形解析である.初年度はこの解析ソフトを用いて,海底水平地盤に設けた生産井から,減圧法によるメタンハイドレート開発のシミュレーションを行った.解析では南海トラフにおけるメタンハイドレートの堆積状況を簡素化した地盤をモデル化し,実際の生産を想定した18年におよぶ長い結果を出力した.その結果,減圧による海底地盤の沈下,不等沈下,廃坑後の地盤のリバウンドなどを明らかとした.これら得られた研究成果は国内外の学会で発表し,高い評価を得ている.
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Research Products
(4 results)