2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J10262
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
脇谷 晶一 Yamaguchi University, 大学院・連合獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 白血病阻止因子 / 胚着床 / プロジェステロン受容体 / 子宮内膜 |
Research Abstract |
本研究は着床期子宮内膜における、白血病阻止因子(LIF)とプロジェステロンの相互作用の機序を明らかにすることを目的として行われた。 着床期に起こるプロジェステロン作用部位の移行に対するLIFの役割を評価するため、卵巣除去マウスにリコンビナントLIFまたは子宮内LIFの発現誘導因子であるエストラジオール17βを投与後の子宮内膜を用い、プロジェステロン受容体に対する免疫組織化学を行った。結果、エストラジオール17βを投与後の子宮上皮ではプロジェステロン受容体が減少し、対照的に子宮間質では増加が認められた。これは着床期に起こる変化と同様である。しかし、リコンビナントLIF投与後の子宮内膜でプロジェステロン受容体の発現は変化せず、エストラジオール17βのプロジェステロン受容体調節作用はLIFを介さないことが示唆された。LIFは胚着床に必須であるため、着床期のプロジェステロン受容体の変動は劇的であるにも関わらず、胚着床の成否には重要ではないと考えられる。 着床期、プロジェステロンの活性化に伴う子宮内プロジェステロン受容体複合体の構造変化を調査するため、Blue-Native PAGE-ウエスタンブロット法を用い、プロジェステロン受容体複合体の分子量を測定した。結果、着床期、非妊娠期に関わらず、分子量は約900kDaであることが明らかとなったが、活性化前後の複合体を分離することはできなかった。これは活性型複合体の存在比が小さいこと、もしくは活性化に伴う複合体構造の変化が分子量の顕著な増減を伴わないことに起因する可能性がある。そのため、プロジェステロン受容体複合体の構造に対するLIFの影響を評価するには、個々の複合体構成要素を標的とした調査がより有効であると考えられる。
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Research Products
(7 results)