2009 Fiscal Year Annual Research Report
メチル化DNA結合タンパク質MeCP2の動態を制御する新規分子の探索とその機能解析
Project/Area Number |
09J10308
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤木 克則 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | MeCP2 / DNAメチル化 / EXOSC9 / non-coding RNA / CHD3 |
Research Abstract |
本研究の目的は、脂肪細胞分化におけるMeCP2の解離からDNA脱メチル化に至る機構の解明、およびMeCP2と相互作用してその機能・動態を制御する因子の同定である。本年度には、まず脂肪細胞分化の過程がPPARγ遺伝子のDNA脱メチル化によって制御されていること、さらにはそのDNA脱メチル化による脂肪細胞分化にMeCP2のDNAからの解離が関与していることを明らかにし、これを論文としてまとめ発表した(BMC biology, 7 : 38, 2009)。また、新規MeCP2相互作用分子の同定として、酵母ツーハイブリッドスクリーニングにより20程度の新規相互作用候補分子を得た。それら新規分子のうちCHD3、EXOSC9に関して哺乳動物細胞中での強制発現、もしくはin vitroで組換えタンパク質を用いた免疫沈降実験を行ない、相互作用の確認を行った。その結果、CHD3ではC末側650アミノ酸の領域が、EXOSC9では2種類知られるisoformの一方であるisoform2のC末側150アミノ酸の領域がMeCP2と相互作用していることが確認された。さらにEXOSC9について、MeCP2とEXOSC9の相互作用が失われた際に発現量が変化するRNAを検出するため、siRNAによりMeCP2の発現量が減少した際に増加するRNAを、DNAマイクロアレイを用いた解析により網羅的に検出した。その結果、解析した1594遺伝子の大部分で、転写開始位置より~1500bp上流領域から未知のnon-coding RNAが転写されていることが明らかとなった。今後はこのマイクロアレイデータの解析をさらに進め、EXOSC9とMeCP2の相互作用によるnon-coding RNAの発現制御について解析を進める予定である。
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Research Products
(2 results)