2010 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリートの界面におけるひび割れ伸展のメカニズム解明と力学特性値の向上
Project/Area Number |
09J10339
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
佐藤 あゆみ 公立大学法人秋田県立大学, システム科学技術研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | コンクリート / 破面解析 / 補修 / 補強 / 界面 / 破壊力学 / ひび割れ / 力学特性値 |
Research Abstract |
国民生活を支えるコンクリート建築や構造物は,震災や経年劣化による損傷補修や耐震補強が必要となり,コンクリートを打ち足す例が増えている。本研究は,新コンクリートを既存建造物に付加する際,コンクリート構造物に生じる新旧コンクリート界面の付着に関わる性能向上を検討するものである。本年度は実験と解析を中心に研究を推進しており,その中でも破面解析(Fractography)を用いた破壊機構解明に関して考察が深化した。破面解析は,新旧コンクリート界面および一体打ち試験体に対し破壊試験を行い,その破面における(1)物理的特徴と(2)化学的特徴の両面から行った。 (1)物理的破面解析 物理的な破面解析では,破面の特徴量と力学特性値との関係から研究を進めた。その中で,力学特性値を評価する新しい指標を本研究で初めて提案した。その指標はコンクリートの破面の高さ分布に関する標準偏差Sdと,破面のうち特定の曲率半径の分布割合を示すRrである。これらは,強度や靱性を適切に評価できる指標であると同時に,新旧コンクリート界面の破壊機構解明の糸口となる指標と考えられる。 (2)化学的破面解析 化学的破面解析では,高炉スラグ細骨材が新旧コンクリート界面の力学特性値を向上させる機構について,電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)による観察結果を基に考察を行った。その考察によって,打継ぎ界面に生じるブリーディング層にスラグ細骨材の潜在水硬性が有効に働くことが分かった。さらに,スラグ細骨材はその特有の複雑な形状によって,引張抵抗力に対する機械的アンカー効果が強いという結果が得られた。 なお以上の成果については,破壊力学の専門ジャーナル(Engineering Fracture Mechanics ; Elsevier),日本建築学会構造系論文集,セメント・コンクリート論文集およびコンクリート工学年次論文集に発表した。
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Research Products
(12 results)