2009 Fiscal Year Annual Research Report
教師の同僚性の構築を中核とする学校改革のネットワーキング
Project/Area Number |
09J10374
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 悠太 The University of Tokyo, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 教師の同僚性 / 学校改革 / 専門性開発 / 校内研修 / 教師のディスコース / ネットワーキング |
Research Abstract |
本研究の主題に迫るために本年度は次の課題に取り組んだ。第一の課題は本研究を進める上での理論的な分析枠組みを設定することである。学校改革研究・教師研究の蓄積の厚い欧米の教育研究の動向を主な検討の対象とした。第二の課題は学校改革のフィールドワーク調査を行い各種データを収集することである。本年度は関東地方及び近郊における学校改革とそのネットワークを中心に継続的な調査を行い、校内研修の音声記録・文書資料・教職員や教育行政官のインタビュー記録を収集した。これら二つの課題に取り組むことを通して明らかにした主題は次の二点である。一つは、教師の「同僚性(collegiality)」の概念をめぐる争点と課題である。1982年に同僚性の概念が提出されて以来、この概念への関心の高まりは学校改革の正説の一つとして認識されるにいたった。このプロセスの検討を通して、同僚性の概念をめぐる争点と課題を明らかにした。二つ目は、学校改革の様相を校内研修における教師のディスコースに注目して検討することである。2000年以降の同僚性の研究は新しい局面を迎えていた。それは教師間の具体的なインタラクションを対象とした研究である。本研究においても校内研修の教師のディスコースを分析の俎上に載せる仮説を準備するにいたった。それは教職に特有な制度的言語と教師個人の自由な発話との弁証法的な展開として、校内研修における教師のディスコースを主題化するという見通しである。(以上の主題の一部は日本カリキュラム学会、日本教育学会、World Association of Lesson Studies International Conferenceにて口頭発表する機会を得た。)
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Research Products
(3 results)