2010 Fiscal Year Annual Research Report
歩行動作中の足部位置知覚特性―知覚している足の位置と実際の足の位置との誤差の評価
Project/Area Number |
09J10476
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小林 吉之 独立行政法人産業技術総合研究所, デジタルヒューマン工学研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 人間生活環境 / 認知 / 医療・福祉 / リハビリテーション / 歩行 / つまずき |
Research Abstract |
本研究は,ヒトが歩行中に転倒するもっとも主要な要因である『つまずき』が生じる一因を解明するために,ヒトが歩行中に足部の位置をどの程度正確に知覚できているか,その特性を実験的に明らかにすることを目的とした. この目標を達成するために,本年度は研究計画に基づいて「III.歩行動作中の足底部における垂直位置の知覚特性」について主に実験をおこなった.その結果,足部(つま先)を持ち上げながら高さを合わせる条件と,足部(つま先)を下ろしながら高さを合わせる条件では結果が異なり,足部(つま先)を下ろしながら高さを合わせる条件では実際のつま先の位置の方が知覚されたつま先の位置よりも低くなる傾向が確認された.これらの現象は,人が姿勢を知覚する際に用いているとされている固有感覚(関節位置覚)の特徴で説明することができ,歩行中遊脚期のつま先の軌跡を踏まえると本研究で確認されたような誤差がつまずきの一因となっていると考えられた.
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