2010 Fiscal Year Annual Research Report
ニューログロビンの細胞死抑制機構の解明と新規機能の探索
Project/Area Number |
09J10497
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邊 征爾 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ニューログロビン / 細胞膜貫通特性 / ミオグロビン / プロテオグリカン / タンパク質工学 |
Research Abstract |
本年度の研究では、ゼブラフィッシュニューログロビン(ZNgb)のモジュールM1をヒトミオグロビン(HMb)に付加したキメラミオグロビン(CMb)を作製した.CMbはZNgb同様に細胞膜貫通特性を示し、培地に添加するのみで細胞内に導入された.また、CMbにおいて、ZNgbのモジュールM1の付加がヘムの結合状態、または二次構造に影響を与えるかどうかを調べるため、紫外可視吸光スペクトルと円二色性偏光スペクトルを測定して検討したところ、ZNgbのモジュールM1の付加はヘムの結合状態や二次構造にはほとんど影響しないことが判明した.これらの実験結果から、ZNgbのモジュールM1を他のタンパク質に付加することにより、本来の生理機能に加えて、新たに細胞膜貫通特性をもった新規機能性タンパク質の創製が可能であることが示唆された.また、昨年度の研究から細胞膜貫通特性にモジュールM1内のリジン残基が重要であると判明していたことから、正に帯電しているリジン残基が負に帯電している細胞外プロテオグリカンと相互作用する可能性を考え、細胞外プロテオグリカンを合成できないCHO細胞の変異株、A745およびD677に対して、CMbとZNgbが導入されるかどうかを検討した.その結果、CMbとZNgbは野生型のCHO細胞には効率よく導入されたが、A745とD677にはほとんど導入されなかった,このことはモジュールM1内のリジン残基と細胞外プロテオグリカンの相互作用が細胞膜貫通特性に重要であることを示唆している.
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Identification of residues critical for the cell-membrane-penetrating activity of zebrafish neuroglobin.2010
Author(s)
Fujikawa, C., Nagashima, M., Mawatari, K., Watanabe, S., Wakasugi, K., Kato, S.
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Journal Title
Journal of Physiological Sciences
Volume: 60
Pages: S184
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