2011 Fiscal Year Annual Research Report
高機能性ヘテロ分子構築のための異種ヘテロ原子複合導入法の創生
Project/Area Number |
09J10516
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
川口 真一 大阪府立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 異種ヘテロ原子 / リン / セレン / 15族ヘテロ原子 / 16族ヘテロ原子 / 複合導入法 |
Research Abstract |
本年度は、最終年度として研究計画に従い15族後周期元素の反応性、および他の元素に関する複合反応系の新開発について検討した。Ph_3Biと炭素-炭素不飽和結合を光照射下、反応させることにより付加反応を試みたところ、反応系は複雑なものとなったが反応の進行が確認できた。さらに昨年度までに見出した15族ヘテロ原子のホスフィン化合物および16族ヘテロ原子のカルコゲニドの複合系に関し、遷移金属触媒を用いた選択的なヘテロ官能基の導入反応を検討した。種々の電子求引性置換基を有する内部アセチレンに対し、ロジウムを触媒とするセレノールの付加反応を試みたところ、セレンが高収率、高選択的に導入され、対応するE体を与える結果となった。これは反応系中で生成するP-Se結合が立体選択性に有効に働くことでヒドロセレノ化が進行した結果であり、新規な反応系として論文発表を行った。 また、他のヘテロ原子の導入反応として、合成化学的に導入法が限定されているフルオラス置換基について、リン化合物とのラジカル反応性について検討した。^nC_<10>F_<21>-Iを基質として、(Ph_2P)_2を混合し、光照射を行ったところ、対応するペルフルオロアルキルポスフィンが得られた。反応はほぼ定量的に進行し、この化合物の精製については、種々検討の結果、フルオラス溶媒/有機溶媒2層系を用いて行うことが可能であることが明らかとなり、環境にやさしい化合物合成法として期待される。また、置換基の異なるホスフィン(ビス^tブチル基を有する)の場合でも同様に反応が進行することを見出した。 次に作成した配位子のパラジウムへの錯化挙動について検討した。本配位子はPdCl_2(PhCN)_2と配位子交換反応を起こし、錯形成することが^<31>PNMRおよびX線構造解析の結果から明らかとなった。これらの成果については、第92春季年会にて発表を行った。
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Research Products
(13 results)