2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J10517
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
伊藤 浩史 Ochanomizu University, お茶大アカデミック・プロダクション, 特別研究員PD
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Keywords | シアノバクテリア / 概日リズム / 同期 / ノイズ / 生物 |
Research Abstract |
本研究課題の中心となる実験に必要な実験環境の整備を行った。実験室のセットアップを行い、生物発光測定装置の開発を目指した。1.kaiBC:luxCDE,psbAI:luxCDEの二つの遺伝子セットが挿入されたシアノバクテリア株を樹立した。このシアノバクテリアは、細胞内でルシフェラーゼとなるLuxABと、基質である脂肪酸アルデヒドを合成する酵素複合体LuxCDEを算出するため、外部から基質を加えることなく自発的に生物発光を行う。またこの時、発光量はLuxCDE量に依存し、LuxCDE量はkaiBCプロモータによって制御されている。kaiBCプロモータの活性はシアノバクテリアの持っている概日リズムに依存しているため、この細胞株では発光を観察するだけで細胞のリズムを観察することが出来る。2.バクテリアを一定濃度で培養できる培養装置を作成した。細胞密度をLEDを用いた光センサにより随時計測し、ある密度以上では培地の添加によって薄めるようなフィードバック制御を行い、細胞密度を常に一定にする系を作成した。これにより、細胞の光感受性を常に一定に保つことが出来る。3.液体培地から発せられる生物発光を直接観察するシステムを作成した。これにより、約1週間程度のバクテリア集団の概日リズムを観察することに成功した。この研究の目的を達するには1ヶ月程度のリズムの観察が必要と考えており、よりロバストなシステムを構築していく必要がある。
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