2010 Fiscal Year Annual Research Report
色覚バリアフリーを実現する再配色アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
09J10523
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田中 豪 山口大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 色覚異常 / 色覚バリアフリー / 色変換 / カラー画像 |
Research Abstract |
2色覚など、正常色覚とは異なる色覚特性をもつ人は、特定の色の組み合わせについて弁別が難しいという問題を抱えている。例えば,ホームページ上では様々な色を用いて情報が表現されているが、色の違いにより表現された情報は2色覚者にとって読み取りにくい場合がある。本研究では、2色覚者にも見やすい配色にする色変換アルゴリズムの開発を行った。 本研究では、Goochらにより提案されたColor2Grayアルゴリズムを応用することで、目的とする色変換の実現を目指した。Color2Grayは色の違いを反映したモノクロ画像を得る手法である。提案手法では、正常色覚における色の違いを2色覚における色の違いに反映させるが、その際にColor2Grayを応用した。 まず、発展的なColor2Grayを提案した。オリジナルの方法では、無彩色の明度成分も修正され、出力画像が不自然な印象となることがあった。無彩色がそのままの明度で出力される(これをグレースケール保存という)ように改良したColor2Grayを提案した。また、色の違いにより表わされた情報が2色覚において読み取りにくくなるのは、弁別困難な色が隣接している場合である。本研究では、隣接している色の組み合わせを重点的に考慮し、かつ、グレースケール保存も実現した手法も提案した。 次に、グレースケール保存を考慮したColor2Grayを応用して、特定の2色覚におけるコントラスト(色の見分けやすさ)改善を実現する手法を提案した。この方法では、2色覚のうち、1型・2型・3型のいずれかを指定し、その色覚に対してコントラスト改善のための色変換を行う。 最後に、1型・2型両方の色覚に対して同時にコントラスト改善を行う手法を提案した。これにより、正常色覚者,1型および2型2色覚者に対して同時に見やすい画像を提供することができる。
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Research Products
(6 results)