2009 Fiscal Year Annual Research Report
看護師のストレスマネジメントを目的とした組織的介入方法論の検討
Project/Area Number |
09J10552
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
内山 綾子 Tokyo Medical University, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 職業性ストレス / 参加型職場環境改善 / 組織的介入 / 看護師 / クラスターランダム化対照試験 / メンタルヘルス / ストレスマネジメント |
Research Abstract |
本研究は、病院に勤務する看護師を対象として、調査結果を基にした組織的介人が個人および組織の健康に及ぼす影響を検討することを目的として実施されている。平成21年度は研究の1年目として、先行研究のレビュー、第1回調査(ベースライン調査)、調査結果のフィードバック、介入群への介入プログラムの実施(約6ヶ月間)、第2回調査(介入終了直後)を行った。文献レビューでは、看護師の職業性ストレス、心理社会的職場環境、ストレスマネジメント、職場介入などに関する国内外の先行研究から、医療現場で組織的介入のターゲットになりうる職場環境要因のリストアップを行った。それらを参考に調査項目を選定し、看護師のための組織的介入プログラムを策定した。調査対象は、私立病院2施設に勤務する看護師約450名であった。ベースライン調査の結果からは、看護師のメンタルヘルスと関連の強いストレス要因が明らかになり、部署ごとに特徴的な職場環境要因が確認された。病院で層化した上で、部署を無作為に介入群と待機群に割付けた。介入方法は、各部署のキーパーソン(ファシリテーター)を中心として、ストレス対策や働きやすい職場環境づくりに職員が主体的に関与する職員参加型の職場環境改善の手法を用いた。介人群のファシリテーターとの個別ヒアリングおよびグループミーティング(各1回/月×4回;ファシリテーター教育および報告会)の機会を定期的に設け、職場環境改善の実践を援助した。本プログラムでは、多忙な病院業務の中でも介入が可能であるように、短時間のファシリテーター教育と各部署での職場環境改善活動を同時進行で行うなど、介入群にかかる負担が軽減するよう工夫した。メンタルヘルスのハイリスクグループである看護師にとって、職場のストレスマネジメントは重要な課題である。次年度に、本研究における実践的な組織的介入方法の効果検証を行う予定である。
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Research Products
(1 results)