2009 Fiscal Year Annual Research Report
半導体レーザ励起薄片固体レーザによる自己混合計測技術の高度化に関する研究
Project/Area Number |
09J10554
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
大友 高行 Tokai University, 情報理工学部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 自己混合レーザ計測 / 微粒セラミック・レーザ / 薄片固体レーザ / 振動計測 / 多粒子系ブラウン運動 / プランクトン計測 / 光ボルテックス / 発振パターン形成 |
Research Abstract |
半導体レーザ(LD)励起薄片固体レーザによる自己混合計測技術の高度化に関する研究を遂行し、以下の成果を得た。 1.薄片固体Yb:YAGレーザによる自己混合計測の高感度化 (1)従来の自己混合計測に用いられているNd:GdVO_4よりも約10倍長い蛍光寿命を持つYb:YAGを用いて自己混合変調効果の100倍の高感度化を実現した。(2)数値計算結果からYb:YAGとNd:GdVO_4の戻り光感度差を再現した。また、このときの戻り光量は-100dBと推察される。(3)Yb:YAGセラミック・レーザを用いて自己混合計測を構築し、環境振動下におけるナノメートル振動計測を実現した。 2.自己混合レーザで捉えたブラウン運動の正味の運動観測と仮想粒子の導入 集光したレーザが観測するブラウン粒子群を1個の仮想粒子と見立て、理論から求められる真粒子との違いを記憶時間から求めた。真粒子と比較して実験から得られた仮想粒子は、粘性が低い仮想懸濁液内を浮遊する、径が大きくかつ密度が薄い粒子と理解できる。 3.自己混合計測を用いた自発的に運動する植物プランクトンの速度同定 鞭毛を用いて自発的に運動する植物性プランクトンに対して自己混合計測を行う事で得られる、間欠的に現れる非対称なパワースペクトルの物理的意味を解析し、集光したレーザの平面波領域を横切るプランクトンの速度情報を得る事に成功した。 4.固体レーザの横モード制御と粒子運動解析への応用 LD端面励起マイクロチップ・微粒セラミック・レーザの励起条件に空間的非対称性を与える事で、ベッセル・ガウス(BG)ビーム、マシュー・ガウス(MG)ビームの自発的発振に成功した。BGビーム、MGビームは光ピンセットとして微粒子の操作の応用が期待され、自己混合計測技術と組み合わせる事でブラウン粒子群の運動解析への応用に期待できる。
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Research Products
(5 results)