2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J10594
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 聖悟 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ゲーム情報学 / 評価関数 / ゲーム木探索 |
Research Abstract |
ゲーム情報学の分野において、将棋や囲碁、チェスなどの二人零和有限確定完全情報ゲームを対象として研究を行った。この分野における大きな研究目的に人間に勝つような強いプログラムを作ることがあるが、そのためには評価関数(形勢判断)とゲーム木探索(先読み)が重要であり、両者の改良について多くの研究がされている。評価関数やゲーム木探索の性能を評価するには、一般に対戦が用いられるが、時間がかかることや結果のフィードバックがないなどの問題がある。 これらの問題点を解決するため、棋譜データとプログラムの評価開数との関係を見るEvaluation Curveなどの評価手法を提案してきており、本年度は、評価手法についての調査を行った他、実験データを充実させ、提案する評価手法の使用条件や用いる棋譜データに関する議論や知見を深めた。 具体的には、チェスや将棋の評価関数を対象として数値指標による評価の実験を行い、囲碁においてモンテカルロ木探索を対象とした実験の充実をさせた。さらに、Evaluation Curveは目視による評価であるという難点があったため、これを補うような数値指標について研究を行った。しかし、グラフによる評価には複数の要素があり、数値化を行うとそれらの情報が欠損するため、現状では目視による評価が最善であるとの結論に至った。また、評価関数と密接な関係にある静止探索についても研究を深めた。 評価関数やゲーム木探索の性能評価手法の研究はプログラムの強さを改善するために重要である。一般に用いられている手法では、ゲームに対して深い知識がなくてはフィードバックが困難であったが、Evaluation Curveによる評価では比較的知識が少なくともフィードバックが可能である。
|
Research Products
(1 results)