2010 Fiscal Year Annual Research Report
繊毛の形成・機能に介在するARF/ARLファミリー低分子量Gタンパク質の機能解析
Project/Area Number |
09J10601
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀 裕次 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 低分子量G蛋白質 / 繊毛 / 物質輸送 / バルデー・ビードル症候群 / ジュベール正候群 |
Research Abstract |
Arl13bはArf/Arlファミリーに属する低分子量G蛋白質であり、近年の順遺伝学的手法を用いたスクリーニングにより、その欠失により繊毛の形態や機能に異常を生じることが明らかとなってきた。ヒトにおいてもArl13bの変異が繊毛性疾患であるジュベール症候群を引き起こすことが知られている。Arf/Ar/ファミリー低分子量G蛋白質は主に小胞輸送を制御することが知られており、Arl13bも関連した機能を有することが期待されるが、その詳しい機能メカニズムは明らかとなっていなかった。これまでに申請者らは、哺乳動物細胞および線虫を用いた解析により、Arl13bがN末端側に受けるパルミトイル化修飾により繊毛の膜に繋留されること、またArl13bの欠失により繊毛が短縮し繊毛内に異常な膜構造が出現すること、繊毛内物質輸送システム(IFT)に影響を及ぼすこと、IFTにより輸送される繊毛内膜蛋白質の局在が異常になることを見いだしていた。本年度はArl13b恒常的発現細胞株において繊毛が伸長すること、また密度勾配遠心法を用いた実験によりArl13bのパルミトイル化と脂質ラフトとの関係を探った。Ar113bは繊毛膜においてIFTによる膜蛋白質の輸送を直接あるいは間接的に制御していると考えられることから、Arl13bの繊毛膜への局在化を探ることは非常に重要である。今後Arl13bの機能の分子基盤を探ることにより、繊毛の形態維持機構や繊毛性疾患の発症機構が明らかになることが期待される。
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Research Products
(2 results)