2011 Fiscal Year Annual Research Report
繊毛の形成・機能に介在するARF/ARLファミリー低分子量Gタンパク質の機能解析
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09J10601
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀 裕次 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Gタンパク / 繊毛 / ジュベール症候群 / 小胞輸送 / Arl13b |
Research Abstract |
Arl13bはArf/Arlファミリーに属する低分子量G蛋白質であり、近年の順遺伝学的手法を用いたスクリーニングにより、その欠失により繊毛の形態や機能に異常を生じることが明らかとなってきた。ヒトにおいてもArl13bの変異が繊毛性疾患であるジュベール症候群を引き起こすことが知られている。これまでに申請者らは、哺乳動物細胞および線虫を用いた解析により、Arl13bがN末端側に受けるパルミトイル化修飾により繊毛の膜に局在し、繊毛内物質輸送システム(IFT)を介した繊毛の正常な形成および機能に関与することを見出していた。本年度はArl13bの繊毛への局在化メカニズムの解明を試み、Arl13bのパルミトイル化酵素の探索を行った。その結果、Arl13bがゴルジ体に局在するパルミトイル化酵素によってパルミトイル化される可能性を見出した。そこで培養細胞を用いてゴルジ体からの小胞輸送系を阻害したところ、Arl13bの繊毛への局在量が減少し、代わりにゴルジ体に集積する様子を観察した。実際にゴルジ体からの小胞輸送系を遺伝子発現抑制法により阻害しても、Arl13bの繊毛への局在量が減少したことから、Arl13bがゴルジ体でパルミトイル化された後、小胞輸送系を介して繊毛へと運ばれている可能性を見出した。今後Arl13bの機能および局在化メカニズムのより詳細な分子基盤を探ることにより、繊毛の形態維持機構や繊毛性疾患の発症機構が明らかになることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パルミトイル化酵素の候補を同定し、実際にArl13bが細胞内のどのオルガネラを通って繊毛へと運ばれているのかが明らかとなってきたから
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Strategy for Future Research Activity |
Arl13bの繊毛への局在化に必要であるRVxPモチーフに対する結合因子を同定し、Arl13bおよび他のRVxPモチーフを持つ因子の繊毛への局在に必要かどうか検討する Arl13bの相互作用因子を探索し、分子機能の詳細な部分を明らかにする
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Research Products
(1 results)