2009 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質複合体結晶化による光依存型プロトクロロフィリド還元酵素の動的構造解析
Project/Area Number |
09J10614
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村木 則文 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | プロトクロロフィリド / 還元酵素 / 鉄硫黄クラスター / 結晶構造解析 / 光合成 / 構造生物学 |
Research Abstract |
申請者らはこれまで、光非依存型プロトクロロフィリド還元酵素(DPOR)の触媒コンポーネントであるNBタンパク質の構造解析に成功し、基質結合に伴ってヘリックスがほどけて、活性発現をもたらす機構を提唱してきた。本研究では、DPORが複合体構造の形成やレドックス状態に依存して構造変化する様を結晶構造解析で捉えることを目的としている。 複合体結晶の作製に向けて、DPORの電子伝達コンポーネントであるLタンパク質の調製を進めている。Lタンパク質は酸素感受性の高い酵素であり、嫌気条件化での調製が必要とされる。Lタンパク質を安定に得るために、光合成細菌Rhodobacter capsulatusの培養系を立ち上げ、培養、精製、結晶化をルーチン的に行っている。すでに、単体の結晶は得られており、構造解析に向けた結晶化条件の最適化を進めている。 これに並行して、申請者らはNBタンパク質の活性発現に関わるヘリックスにも注目した。ヘリックス上に位置するMet408を置換した改変酵素を調製し、構造解析を行った。Met408をAlaに変異した酵素では、基質が結合しているにも関わらずヘリックスはほどけていなかった。さらに、これまで確認できなかったC末端領域の50アミノ酸の構造を捉えることに成功した。このことから、C末端領域はヘリックスの動きに伴って動くと考えられる。複合体構造が解析されれば、これらC末端領域のダイナミックな動きを捉えることもできるかもしれない。
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Research Products
(1 results)