2010 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質複合体結晶化による光非依存型プロトクロロフィリド還元酵素の動的構造解析
Project/Area Number |
09J10614
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村木 則文 大阪大学, 蛋白質研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | プロトクロロフィリド / 還元酵素 / 鉄硫黄クラスター / 結晶構造解析 / 光合成 / 構造生物学 |
Research Abstract |
申請者らはこれまでに、ニトロゲナーゼ様酵素である光非依存型プロトクロロフィリド還元酵素(DPOR)の触媒コンポーネント・NBタンパク質の構造解析に成功している.さらに,その構造から新規の鉄硫黄クラスターを見出し,基質結合に伴う構造変化に依存した活性発現機構を提唱した. 本年度には,申請者らの成果であるNBタンパク質の構造・機能析の論文がNatureに載された.本研究はこの結果を踏まえて,DPORが複合体形成やレドックス状態に依存して構造変化する様を結晶構造解析で捉えることを目的としている.初年度はNBタンパク質と複合体を形成するLタンパク質の調製と結晶構造解析に取り組んだが,試料が非常に不安定であったため,結晶化には至らなかった.そこで,本年度は,嫌気性酵素の研究実績が豊富なドイツ・ルール大学ボーフムのHappe教授の研究室に滞在し,嫌気条件下における試料調製のノウハウを習得した.現在,Lタンパク質を安定に調製することができており,単体の結晶化を進めるとともに,Lタンパク質とNBタンパク質の複合体の構造解析も進めている.本年1月には,ニトロゲナーゼアッセンブリー酵素NifENの結晶構造がScienceに掲載されるなど,近年,ニトロゲナーゼ様酵素の構造研究に非常に注目が集まっている.今後,当該分野の研究の重要性はますます高まってくるものと思われる.
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Research Products
(9 results)