2010 Fiscal Year Annual Research Report
浸透圧ストレス応答における新規リン酸化酵素ASK3の活性化機構と生理機能の解析
Project/Area Number |
09J10645
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丸山 順一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ストレス応答性MAPK / ASK3 / WNK4 |
Research Abstract |
Apoptosis signal-regulating kinse3 (ASK3)は,JNK経路およびp38MAPK経路の上流であるMAP3Kに属し,ASK1と高い相同性を有する新規プロテインキナーゼであるが,ASK3が担うシグナル伝達とその生理機能は未だ不明である。我々は酵母ツーハイブリッド法により,ASK3の結合分子としてWith no lysine(K)4(WNK4)キナーゼを同定した。WNK4はイオンチャネルやイオントランスポータの制御因子として知られていることから,ASK3はWNK4のイオン輸送制御因子としての機能を制御し,細胞体積や細胞内イオンホメオスタシス維持に寄与していることが予想される。 腎臓遠位曲尿細管上皮由来細胞株mpkDCTに低浸透圧低クロライド刺激を行うと,ストレス応答性MAPKであるp38 MAPKが活性化した。この時のp38 MAPK活性化にはASK3が必要であった。活性化したp38 MAPKは下流のMK2を活性化するが,MK2がS575リン酸化に十分であることをin vitro kinase assayにより確認した。また,低浸透圧低クロライド刺激依存的なあるイオントランスポータのタンパク量変化がWNK4により制御される可能性を見出した。以上より,WNK4のイオントランスポータ制御機能はASK3-P38 MAPK-MK2シグナル伝達経路を介したS575リン酸化による制御を受け,細胞体積維持・個体水分量維持といったストレス応答を担うと考えられる。
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Research Products
(2 results)