2009 Fiscal Year Annual Research Report
計算的手法による多元系ナノ微粒子の材料設計とその構造制御による新規触媒の創生
Project/Area Number |
09J10647
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
田口 昇 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ナノ微粒子 / コアシェル構造 / 超音波照射 |
Research Abstract |
本年度の研究を通して重点的に取り組んだ内容および得られた知見は以下のとおりである。 ・第一原理計算による評価 これまでにも行ってきたAu-Pd系について特に分子との相互作用を検討する観点で、Au-Pd金属表面へのエチレンの吸着の第一原理計算を行った。これは実験的に行っている活性評価実験の4ペンテン酸における不飽和部位(二重結合)と金属表面の吸着の状態を検討し反応をモデル化するためである。特に、高い活性を示すAu-Pd系のコア・シェルナノ微粒子において、表面のPdの格子の膨張が活性に寄与する可能性があることをこれまで提案してきたが、第一原理計算による金属-分子系での計算結果では表面Pdの格子膨張のみならず、特にコアとして存在するAuが吸着状態に密接に係っている可能性が新たに示唆された。 ・Au-Pd系以外の複合系の検討 元素戦略の観点も踏まえ、Au-Pd系以外での複合微粒子の作製プロセスを検討した。特により卑なる金属元素(Cu,Ni等)は還元しにくく、また、粒径といった制御が困難である。これまでの超音波やγ線による貴金属作製プロセスをそのままに適用するのは難しく、プロセスの開発、改良を検討する必要が生じた。そこで、照射による金属還元プロセスに加えて、これまでは行っていなかった化学還元的な手法を組み合わせることでそれらの問題に取り組んでおり、現在いくつかの系について合成に成功しつつある。特徴的な吸光スペクトルを有するナノ微粒子を合成しており、詳しい構造評価分析を急いでいる。
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Research Products
(12 results)