2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体膜脂肪酸環境の感知機構および恒常性維持機構の解明
Project/Area Number |
09J10724
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平田 祐介 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 線虫 / 高度不飽和脂肪酸 / 網羅的RNAiスクリーニング / 膜脂肪酸環境 / 生体膜環境センサー / MAPK経路 |
Research Abstract |
網羅的RNAiスクリーニング 私は修士課程において、線虫の高度不飽和脂肪酸欠損株で高発現する遺伝子のうちの一つについて、そのプロモーター下にGFP(緑色蛍光タンパク質)を融合したコンストラクトを線虫に導入し、遺伝子発現誘導に関わる分子の網羅的RNAi(RNA干渉)スクリーニングを行なっていた。博士課程でもこのスクリーニングを継続して行ない、線虫全ゲノムを網羅したRNAiライブラリー内の全ターゲット遺伝子(約18000遺伝子)を対象としたスクリーニングが完了し、この遺伝子の発現誘導に関わる分子として約230の候補遺伝子を同定した。これらの候補遺伝子についてさらに再現性を数回にわたって確認した結果、このうち105遺伝子についての再現性が得られた。 この中には、膜脂肪酸環境を感知するセンサー分子またはその関連分子である可能性が高いと考えられる膜貫通型分子として、機能未知の2回膜貫通型キナーゼをはじめとした11遺伝子が含まれていた。 生体膜環境センサーの同定 遺伝子発現誘導に関わるシグナル経路として一連のMAPK経路構成分子をこれまですでに同定していたが、このうちMAP2Kについて恒常活性化型のコンストラクトを作製・導入し、実際に線虫生体内で恒常的に活性化する事が確認できた。現在、これを利用して105の候補遺伝子についての遺伝学的な上下関係を明らかにするための2次スクリーニングの実験系を構築中である。
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