2010 Fiscal Year Annual Research Report
水産生物におけるバイオテレメトリー高精度化に関する研究―物理・生物環境雑音除去―
Project/Area Number |
09J10803
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
宮城 亜紀 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超音波バイオテレメトリー / ピンガ / 水中雑音 / 海洋音響 / 受信距離 |
Research Abstract |
水産生物の資源管理や保護を行うために,生物の行動や生態を把握する必要がある。そのため,超音波バイオテレメトリー手法を用いた生物の行動研究が盛んに行われている。このシステムは,超音波発信器(ピンガ)を対象生物に装着して放し,その信号を超音波受信器で受けることにより生物の行動を推定する。このシステムの受信距離はピンガの送波音圧と受信器周辺の水中雑音によって変動する可能性があるが,それらの要因を考慮した解析は行われていない。そこで,本研究では,大きく2項目の実験を行う。 本年度は以下の内容で研究を行った。 1、魚体内から放射した超音波測定魚の腹腔内にピンガを装着する場合の送波音圧の減衰の有無を明らかにするために研究を行った。昨年構築を行ったシステムを用いて,水産工学研究所の大型水槽にて実験を行った。用いた試供魚はミナミマグロ2個体とマサバ1個体である。昨年の研究結果と比較すると,送波音圧は最大約34dB低下しており,個体が大きいほど送波音圧が低下することがわかった。さらに,魚体の部位によって送波音圧の低下が異なることが明らかになった。この研究成果は2010年5月に海洋音響学会と12月にAFAS2010にて発表を行った。 2、水中雑音測定水中雑音の昼夜変化や季節変動を明らかにするために,昨年構築した定点にて連続観測が行えるシステムでよりシステム雑音が少なくなるように改良を施した。制作した観測ブイを千葉県,沖縄県,北海道の海域に係留し,データ収録を行った。
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Research Products
(3 results)