2009 Fiscal Year Annual Research Report
不均一系白金族触媒を用いた高効率的水素 - 重水素交換反応の開発
Project/Area Number |
09J10923
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
藤原 佑太 Gifu Pharmaceutical University, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 重水素標識化合物 / H-D交換反応 / C-H活性化 / 不均一系触媒 / Rh / C / Ru / C / 位置選択的 / α位 |
Research Abstract |
当研究室では常圧の水素ガスで置換した封管中、Rh/C触媒存在下アルカンをD_2O中で加熱攪拌するのみで、アルカンの全C-HをC-Dに変換することに成功している。本年度はRh/C-H_2-D_2Oを組み合わせたアルカン重水素化の反応効率向上、反応メカニズムの解明、基質適用範囲拡大を目的として検討した。 1)固体アルカンの場合、基質の溶解性改善を目的としたシクロヘキサンの添加により重水素化率が向上した。Pd/Cを触媒とした固体アルカンの重水素化反応でもシクロヘキサンを添加すると重水素化率が向上し、直鎖アルカンではRh/Cに匹敵する効率で重水素を導入することができた。Pd/CはRh/Cと比較して格段に安価であるため、重水素化コストの削減が期待できる。 2)D_2OとH_2間でのH_2-D_2交換反応により生ずるD_2ガスが、アルカンの重水素化反応における重水素源であることを明らかとした。当研究室ではRh/CがH_2-D_2O間のH_2-D_2交換を効率よく触媒することを明らかとしている。本重水素化反応ではRh/Cの高いH_2-D_2交換活性が影響しており、D_2ガスの生成が鍵段階であると考えている。 3)脂肪族ケトンを重水素化したところ、重水素化とともにカルボニル基の還元が併発した。この知見から、脂肪族ケトンの効率的還元法を開発すべく検討したところ、Pt/Cを触媒としてシクロヘキサン中攪拌することで常温、常圧条件下、多様な脂肪族ケトンの還元が効率よく進行し、短時間で対応する第2級アルコールを得ることができた。脂肪族ケトンをアルコールに還元するには100℃以上の加熱条件下、10気圧以上の加圧を要する。本反応は常温、常圧で進行するため従来法と比較した場合格段に穏和であり、脂肪族第2級アルコールの効率的合成法として期待される。
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Research Products
(5 results)