2009 Fiscal Year Annual Research Report
段階的な意思集約を伴う政治経済制度のためのメカニズム・デザイン論
Project/Area Number |
09J10992
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
安達 剛 Waseda University, 経済学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 社会的選択理論 / メカニズム・デザイン / 割当問題 / uniformルール / 誘因両立性 / 耐戦略性 / 同側面性 / 無羨望性 |
Research Abstract |
国家間での温室効果ガス排出量の割当などに代表されるように、現実の資源配分問題においては資源が私的財の性質を有しているにも関わらず、様々な事情から市場機構やオークションといった金銭の移転を媒介とした分配メカニズムを利用できない状況が存在する。このような状況においては代替的な制度を設計する必要があるが、その際、制度参加者の利己的な行動がもたらす結果がその制度の意図していた結果と一致するか、という誘因両立性の問題が存在することになる。先行研究によって、一般化uniformルールと呼ばれる分配メカニズムが、誘因両立性とともにある種の効率性(同側面性)と平等性(無羨望性)をも満たすルールであることが分かっていた(Amoros, 2002, Soc Choice Welfare)。そこで本年度は、これらのつの性質を満たすメカニズムには一般化uniformルール以外にどのようなルールが存在するのか、という点について検討を行ったところ、そのようなルールは一般化uniformルールを除いて存在しないことが明らかになった。よって、資源配分問題において上述の3つの性質を重視するならば、一般化uniformルールに基づいて資3源配分を行うことが唯一の解決策である。この研究成果については日本経済学会2009年度春季大会(京都大学)、及びThe Sixth Asian General Equilibrium Theory Workshop(Waseda University)において報告を行ったのち学術論文としてまとめ、学術雑誌に投稿した。
|
Research Products
(1 results)