2009 Fiscal Year Annual Research Report
北タイにおける中国系ムスリム移民の越境と宗教ネットワークに関する人類学的研究
Project/Area Number |
09J40027
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
王 柳蘭 Kyoto University, 地域研究統合情報センター, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 越境 / イスラーム / ネットワーク / 北タイ / 中国雲南省 |
Research Abstract |
本研究の目的は国民国家の枠組みを超えて多元的に編成されていくネットワークと他者との共生によって可変的に生き抜く民族の姿を、越境、トランスナショナリズム理論などを援用しつつ、在北タイ雲南系ムスリム移民の事例から捉えることにある。 本年度は研究課題にもとつく研究調査ならびに、国内の研究会や学会において地域の異なる移民研究者と研究交流を行い、若手主体のワークショップや分科会を日本華僑華人学会、日本移民学会、日本文化人類学会、京都大学『仮想』地球研究会などにおいて計4回を行った。さらには、地域間比較にもとつく移民社会の研究を京都大学地域統合情報センターの共同研究会にて行い、その成果は2010年1月に『地域研究』vol.10-1において、特集「越境と地域空間-ミクロ・リージョンをとらえる」というテーマのもと、特集責任編集者として主として若手からなる9本の論文集をまとめた。また2010年2月23日から3月25日にかけて中国にて研究調査を行い、中国上海にある復旦大学に拠点を置きつつ、中国国内における複数の学術研究機関の研究者と学術交流を行った。具体的には、復旦大学に加え、南京大学、厦門大学を訪問し、華僑華人研究、中国少数民族研究、中国地域研究に関する最新の動向を把握すると同時に、自らも2010年3月5日、南京大学人類学研究所において、中国語による口頭発表「泰緬辺境的回漢関係与華人社会及其移民史」を行った。以上の学術交流に加えて、本研究課題である中国イスラーム系社会について、上海ならびに福建省について参与観察や聞き取り調査を行い、2年度目に向けての北タイ中国系イスラーム社会との比較調査の視点をつかむことができた。以上のように、申請者は研究課題にそった成果を着実に蓄積し、国内外に向けて積極的に発信することに努めてきた。
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Research Products
(7 results)