2009 Fiscal Year Annual Research Report
腸内細菌の刺激がCHI3L1/YKL-40を介して大腸癌悪性化に関与する機構
Project/Area Number |
09J40033
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河田 真由美 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 大腸癌 / CHI3L1 / YKL-40 / 血管新生 / 腸内細菌 / 腸上皮細胞 |
Research Abstract |
1.ヒト大腸癌臨床検体を用いた研究 ヒト大腸癌検体の癌部と正常部からmRNAを抽出しCHI3L1/YKL-40の発現をRT-PCR法で比較したところ癌部にて有意に発現が亢進していた。CHI3L1/YKL-40の免疫染色をおこなったところ、癌部腸上皮細胞の細胞質に発現を認めた。またvWFにて血管内皮を染色したところ、CHI3L1/YKL-40の発現が強い臨床検体ほど癌部および間質での微小血管密度が高い傾向にあった。 2.ヒト大腸癌細胞株を用いた研究 大腸癌粘膜から採取したmRNAを用いてCHI3L1/YKL-40の全長をコードする二重鎖DNAを合成し、発現ベクターpcDNA4.0に組み込んで作製し、Western blotting法と蛍光免疫染色法で蛋白の発現を確認した。コンピュータ解析によりCHI3L1/YKL-40の活性を特異的に阻害する部位を検索しBLOCK-iT Pol II miR発現ベクターに組み込んでmiRNAを作製した。RT-PCR法、Western blotting法でその抑制効果を確認した。Boyden chamber法を用い、下層にヒト大腸癌細胞株SW480を上層にヒト血管内皮細胞HUVECを培養し遊走能を検討したところSW480にCHI3L1/YKL-40を強制発現したものではHUVECの下層への遊走が著明に亢進した。またSW480にCHI3L1/YKL-40miRNAでノックダウンしたものではHUVECの遊走が低下した。Tube formation assayにてHUVECの血管新生能を検討したところSW480にCHI3L1/YKL-40を強制発現したものではHUVECの血管新生能は著明に亢進した。またSW480にCHI3L1/YKL-40miRNAでノックダウンしたものではHUVECの血管新生能が低下した。
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Research Products
(2 results)