2010 Fiscal Year Annual Research Report
窒素固定エンドファイトの感染ならびに窒素固定メカニズムの解明
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09J40041
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| Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
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Principal Investigator |
塔野岡 純子 (寺門 純子) 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・土壌作物分析診断手法高度化研究チーム, 特別研究員(RPD)
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| Keywords | エンドファイト / 窒素固定 / サツマイモ |
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| Research Abstract |
窒素肥料は作物の生産性向上に大きく貢献してきたが、一方で農耕地からの流出による周辺環境への汚染が世界規模で問題となっている。また、窒素肥料の工業的生産には大量の化石エネルギーが消費されており、化学肥料窒素の投入量を抑えた作物生産技術の開発が緊急の課題となっている。その対策技術の一つとして生物的窒素固定の活用が見直されており、近年、非マメ科作物内で窒素固定を行う植物体内細菌(エンドファイト)が注目されている。中でもサツマイモは、養分の少ない土壌条件でも生育が可能で施肥窒素量が少ないことから、エンドファイトによる窒素固定の可能性が推定されている。申請者はこれまでに、サツマイモから数種類のエンドファイトを分離しており、本年度は分離したエンドファイト(Bradyrhizobium sp. AT1, Pseudomonas sp. T16, Paenibacillus sp.AS2)の単生条件における窒素固定活性をアセチレン還元法で測定した。この結果、有機酸および糖を炭素源とする培地においては、いずれの分離菌からも窒素固定活性が認められたが、有機酸または糖のみを炭素源とする培地においては、Pseudomonas sp. T16のみ、わずかに窒素固定活性が検出された。さらに、サツマイモ抽出液による培養では、Bradyrhizobium sp. AT1から高い窒素固定活性が測定された。また、いずれの分離菌においても、酸素および窒素により窒素固定活性が抑制されることが確認された。以上の結果から、分離したエンドファイトは単生条件において窒素固定を行うことが明らかになり、植物組織内においても窒素固定を行う可能性が示唆された。さらに、これらの窒素固定エンドファイトをサツマイモに接種した結果、植物内に感染することが明らかになった。現在、エンドファイトの植物内における窒素固定活性を調査している。
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