2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J40099
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石川 京子 九州大学, 総合研究博物館, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 抜歯風習 / 低施行頻度 / 通過儀礼 / 社会変容 / モデル化 |
Research Abstract |
本研究の目的である、アジア諸地域における低施行頻度抜歯風習様相の解明と、社会の複雑化と儀礼の抽象化のモデル化を行うため、国内の研究機関において古人骨資料調査を行うとともに出土人骨に関する文献収集およびアジア地域における出土人骨の情報収集を行い、一定度研究成果があがったものに関しては書籍として発表した。本年度研究成果の詳細は下記の通りである。 (1)海外の出土人骨に関しては九州大学人文科学研究院所蔵の報告書・学術雑誌を用いて首長制段階以降に属すると考えられる古人骨情報の収集を行った。国内の出土人骨に関しては、国立科学博物館・宮崎県立西都原考古博物館において、列島の首長制段階にあたる弥生時代・古墳時代の墓地遺跡出土古人骨資料の調査を行った。 (2)研究補助者を雇い挙げ、収集したデータの入力作業および人骨資料の出土遺跡に関する文献収集・データ整理作業を行った。 (3)上述の調査・データ入力・分析作業の結果、中国大陸沿岸部・韓半島および列島先史社会においては首長制社会以降においても抜歯風習がそれまでとは異なる儀礼の場において使用されていいたことが明らかになった。一方で、それ以外の地域においては首長制以降の段階の社会において明瞭な抜歯風習事例は得られなかった。 (4)本科研費の研究成果の一部である、東アジア地域の部族社会変容期以降の低施行率抜歯風習と社会変容の関係を含む、東アジア地域における抜歯風習と社会に関する研究成果を学術書籍『抜歯風習と社会集団』として出版した。
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Research Products
(3 results)