2009 Fiscal Year Annual Research Report
上方音曲正本の基礎的研究-京都・大阪における舞踊詞章の成立と変容
Project/Area Number |
09J40189
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 万里子 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 日本舞踊 / 上方舞 / 花街 / 京舞 / 芸妓 |
Research Abstract |
本研究は、近世後期から関西で行われてきた舞踊の全体像を明らかにするため、関西の舞踊の歌詞を研究の俎上に載せることを目的としている。日本の舞踊は、歌詞を伴って表現されるという特色をもつが、その歌詞が早くから公開されてきた江戸の舞踊と異なり、関西の舞踊に関してはこれまで手「つかずの状態であった。関西の舞踊は主として花街で伝承されてきたため、本研究により花街の芸の計実態解明につながり、伝統芸能の活性化に役立つものである。 具体的には京都や大阪における流行歌の歌詞を記載した出版物である「上方音曲正本」を研究対象としている。「上方音曲正本」は現在の歌謡曲の歌詞カードにあたり、出版形態も雑多であるが、これらが当時の舞踊の歌詞であり、舞踊の実態を知る直接的な手がかりと判明している。しかし、現行の歌詞が非公開であったことや、資料の多くが個人に所蔵されて閲覧しづらかったことなど、従来アクセシビリティの低さにより研究が進展してこなかった。 平成21年度は、私が文献研究の他、参与観察による情報収集を行ってきた情報を整理し、私自身が古書店等で収集してきた上方音曲正本を、スキャナーならびにデジタルカメラにより、デジタル画像化の作業を行い、パソコンを利用してその本文作成を行った。また、本研究により、実態が判明した関西の舞踊について、国際学会において研究発表を2度行った。
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Research Products
(3 results)