2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J40201
|
Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
松元 まどか Tamagawa University, 脳科学研究所, 特別研究員(RPD)
|
Keywords | 動機づけ / 磁気共鳴画像撮影 |
Research Abstract |
動機づけの神経機構を多面的に明らかにするため、以下の(1)達成動機、(2)内発的動機、(3)誘因価値の意識的変容についての脳の活動を機能的磁気共鳴イメージング法(fMRI)によって検討した。 (1)行動を動機づける重要な要因の一つに達成目標があるが、ヒトの達成目標は質的に異なる2種類(習得目標と遂行目標)に大別される。それぞれの目標を設定して課題を行っている際の被験者の脳の活動を調べた結果、帯状皮質前部と腹側線条体が達成動機づけに一般的に重要な貢献をすること、そして島皮質が習得目標達成のために自身の過去の成績を参照することに関与するが他者の成績を参照する遂行目標には関与しないことが明らかになった。 (2)動機づけは、外的誘因(お金や食べ物などの報酬)だけでなく内的な達成感(成功体験自体)にも依存する。そこで両者の動機づけを区別してそれぞれの神経機構を明らかにするため、fMRIを行ったところ、前部線条体など報酬関連領域が金銭報酬と成功自体の獲得に関与していることが明らかとなり、金銭報酬を付加された経験をすることにより、成功自体の価値が下がる効果(アンダーマイニング効果)が、それらの領域の脳活動に反映されていることが明らかとなった。 (3)動機づけの強さは動因(e.g.空腹の度合いなど)と誘因の価値(e.g.食べ物の好みの度合い)の両方に依存しており、動機づけを自らコントロールする一つの方法として、誘因の価値の高さを意識的に変えることが考えられる。この誘因の価値の意識的変容の脳活動について検討した。その結果前部帯状皮質が、価値を意識的に変容させた度合いに相関した活動を示していること、また、その変容させた結果の価値の高さが前部線条体によって表現されていることが明らかになった。
|
Research Products
(6 results)