2009 Fiscal Year Annual Research Report
トレハロース投与による樹木苗木の耐乾性・耐塩性の向上
Project/Area Number |
09J55421
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
村田 直樹 Tottori University, 大学院・連合農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | トレハロース / 耐塩性 / 耐乾性 |
Research Abstract |
本研究では乾燥地緑化に用いられる樹木の活着率向上を目指し、乾燥による細胞の失活を抑える機能が知られるトレハロースを投与することによって苗木の耐乾性・耐塩性を向上させることが可能か調査を行った。スナナツメ(Elaeagnus oxycarpa)の当年生苗木を対象として、トレハロースの投与が苗木の成長・生理に及ぼす影響、苗木の耐塩性に及ぼす影響、苗木の耐乾性に及ぼす影響について実験を行った。その結果、処理濃度によって程度に差は見られたが、トレハロースを処理したグループでより多くの葉が塩ストレス処理後も維持されるなど、トレハロースの投与による苗木の耐塩性の向上が確認された。しかし乾燥ストレスを処理した場合においてはトレハロースを投与しないグループでストレス処理後の生育状態がもっとも良く、トレハロースの投与による苗木の耐乾性の向上は認められなかった。またトレハロース処理後ストレスを与えずに育成した条件においてもトレハロース処理濃度の増加とともに苗木の成長量が減少するなど、トレハロースの投与による苗木の生育への悪影響が認められた。特に高濃度のトレハロース処理による葉のしおれや落葉といった顕著な障害の発生がいずれの実験においても観察された。 今後トレハロース処理後の葉中のトレハロース含量や浸透調整物質量の変化を明らかにし、トレハロースの投与が植物に影響を与えるメカニズムや苗木に与える最適なトレハロース量等をより詳細に検討していく予定である。
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Research Products
(1 results)