2009 Fiscal Year Annual Research Report
ロボットスーツHALにおける計測制御系の分散化と運動機能の分散化に関する研究
Project/Area Number |
09J55482
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
新宮 正弘 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ロボットスーツHAL / 装着型ロボット / 日常動作支援 / パターン生成 / 安全 / 運動機能 / 分散化 / 運動麻痺 |
Research Abstract |
本研究では,幅広い対象者にロボットスーツを適用し動作支援を行うために,分散化した計測制御系にパターンジェネレータ(PG)を組み込むことで動作パターンの自動生成や安全機構を実現し,運動機能を分散化する事を目的として研究を進めている. 当該年度では,まず計測システムを構築し,PGや安全機構構築のために必要な健常者と運動機能障害者の動作パターンを示す各種情報を取得した.そして分散化された計測制御系を有する単関節型ロボットスーツHAL(HAL-SJ)に運動機能の一部と安全機構を実装し,動作支援実験によって基礎的な性能を確認できた.成果の一部は査読付き国際会議論文として発表している. 計測では,健常者と四肢運動麻痺を有する障害者それぞれの,歩行・立ち座り・階段昇降・単関節の屈曲伸展動作における,生体電位信号・角度・床反力変化等のデータを取得した.対象者は,片下肢麻痺を有するPost-polio患者,上肢に痙性麻痺を有するPost-Stroke患者,健常者である.取得したデータはPG構築と評価の際にリファレンスとして利用する. 動作支援実験は,角速度・角度・発生トルク等を監視し,状況に応じて駆動力を制御して動作支援の安全性を高める安全機構を構築・実装したHAL-SJを用いて行った.対象は,健常者の上肢パワーアシスト及び麻痺を有する運動機能障害者の下肢屈曲動作支援である.実験により,HAL-SJが状況に応じた適切な範囲で動作する事を確認した.本研究では,実証のためのプラットホーム開発と動作支援の実例を示すと共に,回復困難な運動麻痺を有する障害者の随意的な動作を代替して支援できるという新たな可能性を見いだす事ができた.これは,装着型の人間支援ロボットの安全性と実現する機構を議論するための実例として有用であると考えられる.多くの人々が安心して利用できる装着型ロボット実現の一助になれば幸である.
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Research Products
(3 results)