2009 Fiscal Year Annual Research Report
光学材料応用を目指したハイパーブランチポリマーの合成に関する研究
Project/Area Number |
09J56511
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 裕一 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ハイパーブランチポリマー / 電気光学材料 / 超分極率(β) / 電気光学定数(r_<33>) / 架橋 |
Research Abstract |
HBP中へのNLO色素の溶解性は高く、40wt%の濃度で均一な薄膜を作製することができた。DSC測定の結果より、ポリマー薄膜の熱架橋温度は150℃付近であることを確認し、同温度で電場配向処理を行った。得られたHBP薄膜のEO特性を評価したところ、NLO色素の濃度とともにEO定数(r_<33>)の増加が確認され、40wt%の時にr_<33>=85pm/Vを得た。また、同様の測定をPMMA、もしくは側鎖(サイドチェーン)型ポリマーで測定した結果を示している。PMMAをホストとして用いたときには、色素濃度約23wt%でEO特性は飽和した(r_<33>=45pm/V)。また、サイドチェーン型ポリマーを用いたときには、色素濃度が40wt%程度でr33=74pm/Vの最大値を得ることができた。以上のことから、HBPを用いることにより、高い光学ゲインを有するEOポリマー材料を作製できることを確認した。また、熱架橋後のHBPの熱分解温度は300℃以上であり、実際にデバイス化を目指した耐久性の向上の検討を行った。結果としてPMMAホスト材料では、85℃(デバイス化試験の温度)の緩和率が48%だったのに対し、本研究で合成したHBPホストとした際には23%の減少しか見られなかった。これは、化学(ウレタン)結合が強固なため緩和が抑えられたと考えられる。 加えて、色素をポリマーに結合するSide-chain型に比べ、HBPホストの系では色素を混ぜ合わせるだけであるため、合成の簡便性にも優れている。 本手法は、Side-chain型に比べ簡便であり、また、さらに高い超分極率を有するNLO色素の導入で高EO効果のポリマー材料の調整が可能であることが期待される。
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Research Products
(6 results)