2011 Fiscal Year Annual Research Report
光学材料応用を目指したハイパーブランチポリマーの合成に関する研究
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09J56511
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 裕一 九州大学, 先導物質化学研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ハイパーブランチポリマー / 電気光学材料 / 超分極率(β) / 電気光学定数(r_<33>) / 架橋 |
Research Abstract |
○高色素導入型、および高耐久性高分子材料の設計・合成 高色素導入型高分子材料として、本研究課題であるハイパーブランチポリマーの更なる高性能化を目指し分子設計・合成に着手した。分子設計の指針として、光学透明性に優れるメチルメタクリレート(MMA)を導入し、色素を化学結合したハイパーブランチポリマーの統計的な合成を行った。具体的には、ハイパーブランチポリマーの主鎖にはメチルメタクリレートとイソシアネート基を有するメチルメタクリレートを導入し、分岐性を持たせるために二つのオレフィン化合物を有する分子設計と合成経路の確立に努めた。その結果、分岐内部のイソシアネートとヒドロキシル基を有する光機能性色素材料を付加反応することで極めて高い非線形光学色素の溶解性と高分解温度特性を得ることができた。汎用的に用いられているホスト材料PMMAの色素溶解性は20wt%であったのに対し、本研究で合成したハイパーブランチポリマーは50wt%と2倍近い導入を確認でき、当該年度達成目標である40wt%を大きく凌駕することができた。 ○光機能性色素の設計・合成 光機能性色素材料として高非線形光学分子に焦点を当てて、分子設計・合成に着手した。分子設計の指針としてπ共役鎖がつながった代表的な非線形光学色素を合成した。具体的には、イソシアネート基と反応しウレタン結合を形成することから分子末端にヒドロキシル基を有するπ電子共役形誘導体を合成した。これらの材料特性評価を行ったところ、合成段階においてイソシアネート基の消失をFT-IR測定で確認でき、DSC測定によって高いガラス転移温度(>140℃)を得ることができた。 ○光デバイスの作成・評価 合成した材料をデバイス化し、物性評価を行うことが、本テーマの役割である。作成した薄膜をデバイス化した後、電気光学定数(r33)を測定した結果、140pm/Vを得ることができた。この結果は、申請書に記載の最終目標として掲げた50pm/V以上の値を大きく超える値であり、昨年度の結果である110pm/Vを超えることに成功した。
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Research Products
(3 results)