2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J56631
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
白井 洸志 Waseda University, 経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 不完全競争 / 一般均衡理論 / 独占的競争 / 比較静学単調性 / supermodularゲーム / ポテンシャルゲーム / aggregativeゲーム / Cournot-Walras均衡 |
Research Abstract |
(研究目的)経済学における市場分析の視座として最も基礎的な役割を果たしている一般均衡理論について研究を行なった。とくに、戦略的に市場価格を操作できるような経済主体が存在するようなケース(不完全競争市場)について、一般均衡状態が存在するための十分条件を導出することが21年度の最大の課題であった。 (研究方法)市場が不完全競争である場合には、完全競争が仮定されている標準的なケースに倣った方法で均衡の存在性を保証することは困難であることが知られている。より具体的には、通常の一般均衡理論或いは非協力ゲーム理論における伝統的な均衡の存在証明が依拠してきた、凸性を用いた不動点定理の適用条件が、不完全競争下では一般には満たされない。そこで本研究では、非協力ゲーム理論における新しい展開であるポテンシャルゲームの理論を援用することで、凸環境に依存することなく均衡の存在性を保証する可能性を考察した。 (研究結果)上記のアプローチで研究を行なった結果、不完全競争下の一般均衡概念として標準的なCournot-Walras均衡について、その存在性を経済理論として妥当な条件のみを用いて保証することに成功した。より具体的には、消費者の選好関係と企業の生産技術に対する仮定のみを用いて均衡の存在性を導くに至った。とくに、凸環境に依存しない方法を採ったため、不完全競争企業の生産技術として尤もらしい、非凸な生産技術についても許容するようなモデルで存在証明がなされた。結果については日本経済学会、及びThe 6th Asian Meeting of General Equilibrium Theoryで報告され、また国際誌に投稿の上現在査読中である。
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Research Products
(3 results)