2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現量が有意に変化するゲノム領域を抽出する効率的アルゴリズムについて
Project/Area Number |
09J57021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 惇 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | バイオインフォマティクス / エピジェネティクス / DNAメチル化 |
Research Abstract |
今年度は、mRNAの5'端シークエンシングによる発現量データの解析手法とバイサルファイトシークエンシングによるDNAメチル化のデータの解析手法について研究を行った。 mRNAの5'端シークエンシングによる発現量データ解析手法に関する研究 累積和プロットを用いた発現量の変化している領域を抽出するアルゴリズムの改良に取り組み、エラーや閾値の定義を変更することによって結果の精度や計算時間を改善することができないか検討を行った。 バイサルファイトシークエンシングによるDNAメチル化のデータの解析手法に関する研究 実験技術の発達により遺伝子の発現量の変化とヒストンの修飾やDNAのメチル化といったエピジェネティックな変化との関連を示す多くのデータが得られるようになってきた。エピジェネティックな変化と遺伝子発現の関連を明らかにしていくためには、これらの実験データから小さな変化をも見出すことのできる検出力の高い解析手法が求められている。今年度はバイサルファイトシークエンシングによるDNAメチル化のデータの解析手法に注目し研究を行った。この研究によりバイサルファイトシークエンシングによって得られる様々な組織、発生のステージ間でのメチル化の状態の詳細な比較、解析を可能にすることによってDNAメチル化の果たしている役割についてより深い理解が得られることが期待される。 従来、サンプル間でシトシンのメチル化の度合いの変化を調べる際には、シトシン一つ一つについて変化の有無の判定をおこなっていた。しかし、この方法では変化が小さいときや、リードの数が少ないときには変化を検出できないという問題があった。そこで我々はいくつかのシトシンをまとめて領域ごとに判定を行うことによってより高い検出力を実現する手法を開発した。この手法をArabidopsis thalianaのメチル化データに適用し、以前の方法では検出することのできなかった小さなメチル化の変化を検出できることを確認した。
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