2009 Fiscal Year Annual Research Report
回転系における熱対流と平均流の相互作用に関する研究
Project/Area Number |
09J57051
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齊藤 直彬 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 熱対流 / 水平シア / 数値計算 / 地球流体力学 |
Research Abstract |
熱対流は大気現象において大きな役割を担っており、気象に大きな影響を与える。台風や前線などの極端気象現象においては、背景場の水平シアの効果が重要であるが、水平シア流中の熱対流に関する基礎的な研究は少ない。そこで本研究は、主に系の回転と水平シア流のみを仮定した非常にシンプルな数値モデルを用いて、水平シアが熱対流に及ぼす影響を調べている。 平成21年度は、Hathaway&Somerville,1987(惑星大気の低緯度域における熱対流とsin型水平シア流の相互作用について数値計算により調べた先行研究)の検証を目的とした修士論文の研究をさらに発展させた。修士論文では1通りに固定していた実験パラメータ(回転軸の傾き・回転角速度・上下面の温度差)を様々に変えて数値計算を行い、平均流加速の様子がどのように変化するか等について調べた。その結果、修士論文で提唱した杉綾模様のロール状対流による平均流加速は常に起こるものではなく、各実験パラメータに大きく依存していることが分かった。一方で、杉綾模様のロール状対流による平均流加速だけでなく、あるパラメータ領域においては、大規模な東西ロール状対流による非常に大きな平均流加速が存在することが新たに明らかになった。解析の結果、この大規模な東西ロール状対流は安定定常解であることが示された。今後は、この大規模な東西ロール状対流による平均流加速のメカニズムや、パラメータ空間における存在範囲を明らかにする予定である。
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Research Products
(5 results)