1998 Fiscal Year Annual Research Report
文化特異的養育行動と子供の感情制御行動の発達:その日中比較
Project/Area Number |
10041040
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Field Research |
Research Institution | Osaka Gakuin University |
Principal Investigator |
荘厳 舜哉 大阪学院大学, 経済学部, 教授 (10121732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 登志哉 奈良女子大学, 文学部, 助手 (60221660)
坂元 章 お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 助教授 (00205759)
亀島 信也 関西福祉大学, 社会福祉学部社会福祉学科, 教授 (90241108)
河合 優年 三重大学, 教育学部, 教授 (00144098)
藤永 保 お茶の水女子大学, 名誉教授 (60017126)
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Keywords | 比較発達研究 / 感情意識構造 / 日中比較 / 感情制御 / 発達心理学 / 子育て意識行動 / アタッチメント / 民族間比較 |
Research Abstract |
98年4月に荘厳と藤永が北京師範大学と上海の華東師範大学を訪問し,提携先大学の共同研究者たちと今後の調査の進め方について協議した。9月には河合,佐藤,郭が内モンゴル赤峰市を,山本,片が吉林省延辺朝鮮族自治区を訪問した。河合チームは赤峰市の保育所にビデオカメラを設置して日常的に定点観察をおこなう計画をまとめてきた。しかしながら,日本で使用していた中古カメラを寄贈する通関手続きに手間取っており,実際の観察は平成11年度になる可能性が強い。一方,山本チームは延辺において,子育て意識の聞き取り調査をおこない,漢族と朝鮮族の比較をおこなった。更に荘厳,坂元,上原,竹内が同じく9月に北京と上海を訪問し,日託(通園)施設と全託(24時間保育)施設における観察に入った。その結果,中国の幼児は2歳で既に社会化の基本訓練が終了しており,6ヶ月齢から企業が開設する乳児院における保育の様子を観察しなければ,子どもの社会化に関する正確な情報を把握することができないという結論に達した。この調査は11年度予算にて上原と竹内が中心となっておこなう予定である。なお,中国側では院生を中心に,既にこの課題に関する予備観察作業が開始されている。 現代中国は一人っ子政策であるが,子どもたちの友だち関係についての調査が,現在上海市内の日託施設において調査研究が,現地大学院学生の手によっておこなわれている。日・韓・中,3国の比較研究のための観察課題研究に関しては,華東師範大学に設置された観察室で,平成11年度から子どもたちに軽いストレスを与える課題で,感情制御の発達研究がおこなわれる予定である。12月に荘厳が上海を訪れ,この行動コーディングの基本訓練を華東師範大学の学生たちにおこなった。2月28日には,華東師範大学学齢前教育専任講師の周念麗氏が訪日し,友だち関係に関する予備調査の結果がまとまる。
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