1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10041150
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小沼 操 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70109510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 和彦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (90250498)
辻 正義 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (10150088)
杉本 千尋 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90231373)
高橋 英司 東京大学, 大学院・農学生命研究科, 教授 (50183439)
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Keywords | タイレリア原虫 / ピロプラズム / PCR / 原虫遺伝子型 |
Research Abstract |
家畜のタイレリア原虫による疾病は、全世界に認められる。本原虫は宿主体内で巧みに免疫を回避する事や、感染がダニを介することなどにより制圧されていない。わが国においても本原虫による小型ピロプラズマ感染症は経済的被害は大きく本病の制御が強く望まれている。タイレリア属に分類される原虫は10種類以上知られているがT.ParvaやT.Annulataならびに日本を初め東アジアに分布するT.Sergentiはモノクローナル抗体を用いた抗原性状や原虫遺伝子の解析が進んでいる。しかし南アジア、豪州、北米に分布するT.BuffeliやT.Orientalisの解析はほとんどなされていない。本研究の目的はタイレリア原虫の分布が知られている南アジアの国々で原虫種を採集し遺伝子と蛋白質レベルの比較を通してT.Sergentiの分類学的位置付けを明らかにする。 本年度5月にタイの研究者が共同研究ため北大を訪問した。そこであらかじめタイ各地での原虫の採集を依頼しておき、そのDNAを持参してもらった。北大でタイの研究者と一緒に解析したところ、タイに分布するタイレリア原虫はタイ型が多く、他にC型とB型がみられ、ごく一部にI型が検出された。8月にベトナムとカンボジアでは多くの材料が得られた。現在解析中であるが、カンボジア・ベトナムともにタイに分布する原虫に類似していた。中国の南部(雲南省)についてはどのような原虫が分布しているか不明である。そこで今年訪問して採集を試みたが、ほとんど毎日、雨であり材料の採集が十分にはできず、得られた材料からはタイレリア原虫は検出されなかった。
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[Publications] Kim G-H: "Susceptibility of Theileria sergenti infection in Holstein cattle compared to Korean native cattle on Cheju island"J. Protozool. Res.. 9. 103-112 (1999)
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[Publications] Sarataphan N: "Genetic diversity piroplasm surface protein genes and their allelic variants of Theileria Parasites in Thaicattle"J. Vet. Med. Sci.. 61(9). 991-994 (1999)