1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10044047
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
西村 紳一郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00183898)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 則雄 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (70001857)
LEE Yuan C. ジョンズホプキンス大学, 生物学科, 教授
|
Keywords | エネルギートランスファー / シアリルトランスフェラーゼ / β-1,4-ガラクトシルトランスフェラーゼ / UDP-Gal / CMP-NANA / フルオエッセンス(蛍光) / ナフチル基 / ダンシル基 |
Research Abstract |
生体内で重要な働きをしている糖転移酵素はその分布活性を調べるのが困難である。このことが糖鎖機能や生合成システムの謎を解明する妨げとなっている。たとえば、受精や老化等の様々な生命現象の解明を遅らせている。 そのため、この反応を容易に測定できる可能性の高いエネルギートランスファーの手法を用いる事を試みた。これは酵素の二つの基質間の蛍光強度の変化を測定するだけで酵素活性を測定することができる方法で、非常に簡単で放射能を使わないので安全である。このために蛍光ラベルをした種々の糖転移酵素の基質を合成した。 現在までターゲットにした糖転移酵素はβ-1,4-ガラクトシルトランスフエラーゼとシアリルトランスフェラーゼである。 β-1,4-ガラクトシルトランスフェラーゼの基質についてはガラクトースの6位をナフチルアミンで蛍光ラベルしたUDP-Galとナフチルメチルアミンで蛍光ラベルしたUDP-Galの合成に成功した(蛍光ドナー)。また、モノマー型またはポリマー型でグルコサミンの1位にスペーサーを挟んで(β型)ダンシル基で蛍光ラベルした化合物を合成した(蛍光アクセプター)。前者の蛍光ドナーを用いた場合は、見事に酵素活性を測定することができたが、エネルギートランスファーの効率が悪く、後者はナフチルメチル基が立体障害となったためか、糖転移反応が起こらなかった。このため二位にナフチルメチル基を導入したUDP-Galを合成中である。 シアリルトランスフェラーゼの基質については、9位にナフチルメチル基を導入したCMP-NANAの合成に成功した(蛍光ドナー)。また、一位にスペーサーを挟んで(β型)ダンシル基を導入したガラクトースを合成した(蛍光アクセプター)。酵素活性は現在測定中である。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Nishimura S.-I.: "“Efficient Synthesis of Non-natural Ganglioside(pseudo-GM3)and Fluorescent Labelled lysoGM3 on the Basis of Polymer-Assisted Enzymatic Strategy"" Chem.Commun.(印刷中). (1999)
-
[Publications] Nishimura S.-I.: "“Convenient fluorescence probes for the characterisation of glycosyltransferases related to the acrosome reaction"" Zygote. 6. 35-36 (1998)
-
[Publications] Nishimura S.-I.: "“Non-natural Branched Polysaccharides:Synthesis and Properties of Chitin and Chitosan Having α-Mannoside Branches"" Macromolecules. 31. 4764-4769 (1998)
-
[Publications] Nishimura S.-I.: "“Amphiphilic poly(sugar amino acid)s:a novel class of glycoclusters for supramolecular materials"" Chem.Commun.617-618 (1998)
-
[Publications] Nishimura S.-I.: "“High Performance Polymer Supports for Enzyme-assisted Synthesis of Glycoconjugates"" Carbohydr.Res.305. 443-461 (1998)
-
[Publications] Nishimura S.-I.: "“Regioselective Syntheses of Sulfated Polysaccharides:Specific Anti-HIV-1 Activity by Novel Chitin Sulfates"" Carbohydr.Res.306. 427-433 (1998)
-
[Publications] 西村紳一郎: "“生命高分子科学入門"" 講談社サイエンティフィック(印刷中), (1999)
-
[Publications] Nishimura S.-I.,Lee Y.C.: "“Synthetic Glycopolymers:New Tools for Glycobiology",Structural Diversity and Functional Versatility of Polysaccharides,edited by Dumitryu 15" Marcel Dekker,Inc., 523-537 (1998)