1999 Fiscal Year Annual Research Report
スピン反転確立測定と荷電スカラースピン巨大共鳴の発見
Project/Area Number |
10044058
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 英行 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90030030)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 弘之 埼玉大学, 理学部, 助教授 (10221144)
M. B. Greenfield 国際キリスト教大学, 自然科学部, 教授 (10231078)
民井 敦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20302804)
|
Keywords | スピン反転確率 / スピン巨大共鳴 / ボーアの定理 / ガモフテラー型遷移 / 有効相互作用 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ボーアの定理を利用し、(^3He,tγ)反応により励起されるガモフテラー遷移のスピン反転確率を測定し、^3He-n有効相互作用についての知見を得ることである。 実験はオランダ国グローニンゲン大学KVI研究所の超電導サイクロトロンからの^3Heビームを使い行った。 1.1998年12月に、^<26>Mg(^3He,t γ)^<26>Al反応の測定を177MeVで行った。tの検出にはBBSスペクトロメータを、またγ線の検出には、GSOならびに4台のBaF検出器を用いた。 2.今年度は昨年度測定した上記データの解析を進めた。解析からガモフテラー遷移についてのスピン反転確率が得ることができた。その値は、錯乱角度0゜-5゜についてほぼ一定の0.5-0.6であった。これは中間エネルギー、(^3He,t)反応に於ける世界最初のスピン反転確率測定となった。 3.この結果について、DWBA理論解析を行う際に必要になる、^<26>Mgの光学ポテンシャルとガモフテラー遷移の微分散乱断面積の測定を、KVI研究所で行った(11月)。 4.以上の実験データを踏まえて理論的解析を行った。その結果、従来使われていた^3He-n有効相互作用はスピン反転確率を全く再現しないことが明らかになった。より詳しい解析を準備中である。 以上の様に、本年度の研究計画も非常に順調に進み当初予定した研究成果を挙げることができた。 (^3He,tγ)反応測定のスピン反転確率については、3月末に大阪で開催される日本物理学会に於いて発表予定である。
|
-
[Publications] H.Sakai et al.: "Gamow-Teller,strength in the continuum and quenching proglem"Nucl.Phys.. A649. 251-259 (1999)
-
[Publications] T.Suzuki & H.Sakai: "The Landau-Migdal parameter, g′_<NN> and g′_<NΔ>"Phys.Lett.. B455. 25-29 (1999)
-
[Publications] H. Sakai et al.: "Nuclear Responses and Medium Effects"Universal Academy, Frontiers Science Series No. 28. 272 (1999)