1999 Fiscal Year Annual Research Report
無脊椎動物と原生動物を用いた新型膜ATPaseの探索と細胞内局在化機構の解析
Project/Area Number |
10044276
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
竹安 邦夫 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (40135695)
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Keywords | Na^+ / K^+-ATPase / ウアバイン / 進化(分子進化) / サブユニット会合 / ショウジョウバエ / マラリア / 線虫 |
Research Abstract |
最近「各種オルガネラや生体膜の構築・機能分化に必ず膜ATPaseが関与していること」が世界的に確立されてきた。遺伝子クローニングにより、リン脂質フリッパーゼ、生体異物排出ポンプ、重金属イオンポンプ等の新しいタイプの膜ATPaseが無脊椎動物で次々と同定され、次いで脊椎動物においてもその存在が確認されだした。更に、これら膜ATPaseの発現・機能障害は、ヒトにおいては重篤な疾病の原因となることも判明した。本研究では、これら膜ATPaseの原点である無脊椎動物に焦点をあて、新しいタイプの膜ATPaseを探索し、それら膜ATPaseの機能・発現調節機構を分子・細胞レベルで解明することを目的とした。 1.Baumann(ポツダム大学)との共同研究により、ショウジョウバエの光受容細胞(視細胞)における Na/K-ATPaseの局在・細胞骨格(例えば、スペクトリン、アンキリン等)との関連を共焦点レーザー顕微鏡、免疫電子顕微鏡等を用いて明らかにした(1999年度米国細胞生物学会において発表; Yasuhara et al.,Cell Tissue Res.,印刷中)。 2.全P-型 ATPaseを線虫(C.elegans)およびショウジョウバエ(D.melanogaster)においてクローニングし、C.elegansでは20種のαサブユニットと3種のβサブユニットが、D.melanogasterでは14種のαサブユニットと6種のサブユニットが存在することを示し、それぞれの染色体上での位置を決定した(1999年度第9回Na/K-ATPase国際会議で発表; Yasuhara et al.,The Na/K-ATPase and related ATPases,Elsevier,印刷中)。 3.上記で得たアミノ酸配列をもとに系統樹解析を行い、ウアバイン感受性とβサブユニットとの会合能を持たないNa/K-ATPaseとH/K-ATPaseとの共通祖先型ATPaseが存在することを明らかにした。また、これらのことから、ウアバイン感受性とβサブユニットとの会合能の起源が明らかとなった(Yasuhara et al.,投稿準備中)。 4.Krishna(ロンドン大学)との共同研究により、マラリアにおいて全P-型ATPaseをクローニングした。それらのアミノ酸配列に基づいて、新型ATPaseの系統関係を明らかにした(1999年度第9回Na/K-ATPase国際会議で発表予定; Krishna et al.,The Na/K-ATPase and related ATPases,Elsevier,印刷中)。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Takeyasu: "A Modification of the Cytoplasmic Carboxy Terminus of the Ouabain-resistant Na^+,K^+-ATPase Leads to Complete Loss of Electrogenicity"FEBS Lett. 452. 71-74 (1999)
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[Publications] K.Takeyasu: "Localization of Na/K-ATPase in developing and adult Drosophila photoreceptors"Cell and Tissue Res.. (in press).
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[Publications] K. Takeyasu: ""The Na/K-ATPase and Related ATPases""Elsevier (in press). (2000)