1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10044294
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Joint Research . |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木村 昭郎 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (70127645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SEKERBREV Al カザフスタン放射線医学環境研究所, 所長
兵頭 英出夫 広島大学, 医学部・付属病院, 助手 (30253074)
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Keywords | 白血病 / 放射線被曝 / カザフスタン / セミパラチンスク / 核実験 |
Research Abstract |
平成10年8月にカザフ国セミパラチンスク市カザフスタン放射線医学環境研究所を訪れ、相手側研究者と放射線被曝の実態につき情報を収集した。 放射能汚染の点からは、人口集中地域であるセミパラチンスク市の蓄積線量は過去に発表されたものより高いことが明らかとなっている。またセミパラチンスク州の南に位置する南セミパラチンスク州では中国での核実験による影響が加わり、汚染が進んでいると考えられた。 次にセミパラチンスク市中央病院及びセミパラチンスク小児病院を訪問した。現在セミパラチンスク地域における小児急性白血病の発生状況は、全国統計からみると、むしろ低い方であり、本小児病院の症例数も1例のみであった。これには経済状態の悪化のため、郡部の村からセミパラチンスク市への移送の困難さが一因となっている。 一方、成人白血病については、骨髄異形成症候群(MDS)症例が目につくようであり、最近の1年間に4例の入院がみられた。しかし全体としてはやはり、入院患者数の減少がみられている。最近の1年間の白血病症例のカルテをレビューし、血液標本の形態的分類を行った。また分子生物学的解析用のサンプルを収集した。これらのサンプルについてはp53,N-ras等の癌抑制遺伝子や癌遺伝子についての分子生物学的解析を予定している。 本年相手側研究者の所属する研究所は、臨床部として、旧ソ連軍の核実験に関する研究都市で実験場に隣接した「コルチャトフ」に病院センターを設置したことにより、高度汚染地域における本白血病調査研究が進展することが期待される。
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