2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10045055
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
河村 博之 九州産業大学, 工学部, 教授 (50069473)
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Keywords | 耐震補強 / ひびわれ補修 / 接着接合 / 炭素繊維 / 薄鋼板接着接合 |
Research Abstract |
1 九州産業大学では、RCばりと増設RC壁又は増設枠付鉄骨ブレース壁を、接合面が同一垂直面の場合には薄帯鋼板を用いて、また段差のある垂直面の場合は薄山型鋼を用いてエポキシ樹脂で接着接合した場合について、接合部のせん断実験を行った。その結果、コンクリート間の接着せん断強度を大きくするためには、接着剤が粗骨材に接着するように表面に深さ0.5〜1.0cmの円形又は溝型の窪みを設けると約1割増大する。更に、薄鋼板をコンクリートに溝を切り挿入すると効果が大きい。また靭性を大きくするためには薄鋼板にスリットを入れこの部分は接着しないようにし、鋼板が曲げ降伏するようにすれば荷重が低下することなしに7mmまで変形が可能であること、二方向せん断力(又は引張力)を受ける場合、片方向の不確定のせん断の影響を避けるためには、伸縮折曲げ部を設けるとよいことも明らかになった。 2 天津大学では、我が国と中国産の炭素繊維及びエポキシ接着剤について基礎的な引張試験を行ったが、編み方の違いを除いては大きな差はなかったので、柱へのせん断補強効果を確かめるための実験を行ったが、我が国で行われている力学的性状とほとんど同様の効果があることがわかった。 3 今年度は、海外共同研究者を4月に招聘し、九産大での実験に立ち会ってもらうと共に建設省建築研究所及びスーパー大手2社の研究所の構造物実験施設を見学し、実験施設及び実験方法についての意見交換を行った。また10月には研究代表者が上海同斉大学の超高層建築模型の実験を見学し、意見交換を行うと共に唐山市でのコンクリート構造物のひびわれ問題と補修・補強についてのシンポジウムに参加し、日本でのひびわれ対策と補修及びクレーム処理についての現状について説明を行い多くの質問を得役立つことが出来た。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 立石妙子,河村博之: "RCばりと増設耐震壁の薄鋼板による接着接合についての研究"コンクリート工学年次論文集. 第22巻第3号. 1597-1602 (2000)
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[Publications] 山本幸一,河村博之,立石妙子: "RCばりと増設耐震壁の薄鋼板による接着接合について(その1 S型せん断実験)"日本建築学会大会学術講演梗概集. 東北C-2. 409-410 (2000)
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[Publications] 立石妙子,河村博之,山本幸一: "RCばりと増設耐震壁の薄鋼板による接着接合について(その2 コ字型せん断実験)"日本建築学会大会学術講演梗概集. 東北C-2. 411-412 (2000)