1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10139231
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
山田 宏之 愛媛大学, 工学部, 助教授 (90210476)
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Keywords | オブジェクト指向 / 再利用 / 変更支援 / 波及効果 |
Research Abstract |
本研究では、オブジェクト指向ソフトウエアのクラス階層が再構成されたときに、その変更による波及効果の影響の受ける範囲を限定する手法を考察し、その手法に基づいて再構成を支援するツールの設計を行った。本ツールは波及効果による影響追跡のために、クラス間の依存関係をモデル化した依存関係モデルを利用している。まず、クラス階層の再構成における波及効果の発生状況を分析・整理し、属性やメソッドの継承、ポリモーフィズム等、オブジェクト指向特有の性質による依存関係による波及効果について明確にした。つぎに、波及効果追跡の情報を記述するための言語を設計した。さらに、その言語により記述された依存関係モデルにもとづき、波及効果による影響箇所を指摘するツールの設計を行った。以下、本研究により得られた成果をまとめる。 1. 具体的な例題を用いて、クラス階層の再構成の過程で生じるクラス間の継承関係とクラス間での応答関係の変化やそれにより生じる問題について調査し、それらを整理・分類した。その結果、大きく5つに分類できることが分かった。さらに、その結果を分析し、汎化することにより依存関係モデルがもつべき情報を検討した。 2. 1.で明らかになった情報を形式的に表現できる記述言語を設計した。このとき、言語構成要素はモデル記述者にとって理解が容易になるように、対象領域で利用している用語で記述できるように設計した。 3. 2.で設計された言語により記述された依存関係モデルを解釈し、クラス階層が変更されたときに、その波及効果を検出する機構を設計し、構成された検出機構を組み入れた再構成支援ツールを試作した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 山田 宏之: "クラス階層の再構成の支援に関する一考察" 情報処理学会全国大会論文集. (1998)
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[Publications] 山田 宏之: "機能モデルに基づくソフトウェアの変更支援" 信学技報. (1998)
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[Publications] 山田宏之,白壁広光: "JAVA言語を対象とするオブジェクト指向メトリクスに関する一考察" 愛媛大学 工学部 紀要. 18. 437-445 (1999)