1998 Fiscal Year Annual Research Report
温室効果気体の変動と循環のダイナミクスに関する研究
| Project/Area Number |
10144103
|
|---|
| Research Institution | Tohoku University |
|---|
Principal Investigator |
中澤 高清 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30108451)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 真司 国立極地研究所, 助手 (30270424)
青木 周司 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00183129)
中村 俊夫 名古屋大学, 年代測定資料研究センター, 助教授 (10135387)
吉田 尚弘 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60174942)
巻出 義紘 東京大学, アイソトープ総合センター, 教授 (40011746)
|
|---|
| Keywords | 温室効果気体 / 二酸化炭素 / メタン / 一酸化二窒素 / ハロカーボン / 同位体 / 物質循環 / 地球温暖化 |
|---|
| Research Abstract |
本研究においては、温室効果気体の濃度と同位体比の高精度計測技術を確立した上で、広域にわたって観測を行い、得られた結果を大気輸送・循環モデルを用いて解析することによって循環を解明することを目的としている。本年度は以下のような研究を実施した。
1. 大気試料の温室効果気体濃度を迅速かつ高精度で分析するために、分析システムの改良・整備を行った。また、昭和基地、ニーオルスン基地などでの地上観測に加え、小型航空機、定期旅客機、定期コンテナ船を用いた系統的な試料採集と分析を開始した。
2. 大気試料のCO_2のδ^<13>C、CH_4のδ^<13>C・δDを高精度かつ高効率で分析するために、新規に同位体分析装置を購入し、整備した。また、試料大気からCO_2を抽出するための全自動精製装置を新たに製作し、多量の試料を迅速に処理できるように現有設備であるCH_4-CO_2変換装置を改造・整備した。
3. N_2O、非メタン炭化水素、ハロカーボンの同位体比を測定するために、微量ガス濃縮装置を新たに製作し、現有設備である同位体比質量分析計を整備した。また、赤外線レーザー分子分光計測器の開発にも着手した。
4. HFCとPFCの高感度分析を実現するために、現有のガスクロマトグラフ/質量分析計を改造すると同時に、分析条件を検討し、過去十数年間に採取し保存してある南北両半球の大気試料を分析し、濃度分布と変動を明らかにした。
5. 大気試料のように微量なCO_2とCH_4の^<14>C濃度を高精度で測定するために、現有設備である加速器質量分析計を改造・調整し、ターゲットの調製法を改良した。
6. 対流圏における温室効果気体の高度分布を測定するために、FTIRを改良・整備し、実際の測定を開始した。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] T.Nakazawa: "Variations of carbon dioxide and methane in the atmosphere and their global carbon cydes" Global Environment. 5-14 (1998)
-
[Publications] T.Watai: "Tenporal variations of surface oceanic and atmospheric CO_2 fugacity and total dissolved in organic carbon in the northwestern north Pacific" J.Oceanography. 54. 323-336 (1998)
-
[Publications] S.Murayama: "Interpretation of high concentration of O_3 observed in the upper troposphere over Syowa Station,Antarctica" Geophys.Res.Lett. 25. 1177-1180 (1998)
-
[Publications] T.Saeki: "Methane emissions deduced from a two-dimonsional atmospheric transport model and surface concentration data" J.Meteorol.Soc.Japan. 76. 307-324 (1998)
-
[Publications] S.Wessel: "Tropospheric ozone depletion in polar regions.A comparison of observation in the Arctic and Awtaxctic." Tellus. 50B. 34-50 (1998)
